月別アーカイブ: 2014年2月

春霞とPM2.5

杏林堂鍼灸整骨院のある芦屋市は、

南北に長く、東西が狭いいわゆる縦長のかたちになっています。
北を見れば六甲山系、南に向かえば、瀬戸内の海。
自然に恵まれた本当に静かな住宅街です。
JR芦屋駅から続くアーケード沿いの商店街にある

私たちの治療所からも、お天気の良い日は、

入り口側のガラス窓を通して六甲の山々を望むことが出来ます。

 

 

でも、この二、三日はお天気は良いのに空は白っぽく、

山はかすんで見えます。
暖かくなって来たので、春霞かな?と思いきや、

そうでは有りません。
中国からやって来たPM2.5の仕業です。
そう言えば、朝から患者さんも
咳込んだり、鼻水がツーと流れたりする方が多かった様に思います。
兵庫県にも、注意喚起が出された様で、

テレビでは外出を控える旨の報道がありました。
私も、夕方過ぎると何と無く、頭が痛い感じがします。
もともと、鼻炎やアレルギーのある方はもちろんの事、

身体の丈夫な方にとっても、これはたまりません。
今まであまり実感が無かったのですが、やはりこれからは
マスクは必要なものだと思います。
体調の勝れない方は、

場合によっては、外に出ない方が良いのかもしれません。
悪くなれば治療をする。
また症状が出ない様に体力をつけたり、

場合によっては体質を改善したり、

という事ももちろん大切な考え方なのですが、

それよりも先ず、自己防衛をする、予防法を考える。

と言うことが
何より重要な事だと思います。
では、実際の治療現場(国としての立場)では

どう考えられているのでしょうか?

先天の精、後天の精

腸の働きは、食べた物を消化、

吸収して便を作るだけでは、ありません。
排便の支配は脳から受けますが、

それ以外の動きは腸が独自に行なっています。
また、さまざまなホルモンが分泌され、

第二の脳と呼ばれるくらい多様な働きを持ちます。
食べた物を消化、吸収して栄養分を全身に供給する腸は、

いわば「健康の源」と言えます。
身体に良いものを摂れば、健康に。
反対に身体に有害なものを吸収してしまったら…。
腸は、「病気の源」となってしまいます。

 

 

東洋医学では、その人の親から受け継いだ、

いわゆる持って生まれた元気の素を「先天の精」と言い、

「腎」(腎臓そのものでは有りません。)に宿る、とされています。
それに対して、生まれてから獲得する元気の素を

「後天の精」と言い、食べ物から補う。
とされています。
つまり、生まれた時には、虚弱であっても、
良い食事を続けていれば、健康になる。
逆に、生まれつき頑健な身体であっても、

悪い食事を続けていれば、病気になってしまう。
と言う訳です。
それほどに、食事は大切だと言う事を表しています。
では、何を食べれば(何が腸に)
良いのでしょうか?

 

それは、また次回に。

腸は第二の脳

JR芦屋駅北口徒歩二分
杏林堂鍼灸整骨院の院長ブログです。
前回の続きです。
脳の治療を行なえば、

うつ病は完治するのでしょうか?
お薬で脳内のセロトニンを増加させただけで治るほど、

うつ病は単純な病では無いようで、

時に副作用を引き起こす場合もあるそうです。
これには、理由があって実は、
セロトニンの95%は腸のぜん動運動とともに分泌されていて,

肝心の脳内での分泌は、わずか3%程度のみ。なのだそうです。

 

 

脳内の問題よりも、腸内環境が大きく係わっていると言えます。
つまり、
腸がしっかりとぜん動運動する

→セロトニンが分泌される

→ストレスが軽減され、心が安定する。

という図式が成り立ちます。
よく「腸=第二の脳」と言われる所以がこれです。

 

またまた、続く。

うつ病は心の病?

病気の原因のほとんどが、

ストレスにあると言われていますが、

このストレスの軽減に有効とされているのが、

セロトニンという脳内の神経伝達物質です。
セロトニンは、心の働きやバランスのコントロールに大きく関与しており、

セロトニンが活性化すると朝の目覚めが良くなり、

心身共に健康な状態となります。
逆に不足すると不安感が増し思考がネガティブになり、

うつ病や自閉症、その他多くの病気を引き起こすと言われています。
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれて、

これが脳に十分にあれば、うつ病に成りにくいとされていて、

実際に一般的なうつ病の投薬治療は、

脳内のセロトニンを増加させる薬が使われているそうです。
では、うつ病は心の病?では無くて

、脳内の問題なのでしょうか?

 

 

続きは、また次回。

言葉(ことのは)

祈りと感謝は、いつもワンセットです。
「いただきます。」と
「ごちそうさま。」の様に。
どちらも何気ない日常のありふれた
挨拶の言葉のようですが、

国によっては、食事の際に宗教的な儀式は行なわれても,

「いただきます。」「ごちそうさま。」のような挨拶をしない所もあります。
言葉は、その国に暮らす人々の考え方や、

生活、文化が色濃く
反映されています。
人間の身体は、その人が生きて食べて来たもので出来ていて、
そして、その人の思いによって、動いています。

 

そういう意味では、
何を食べるかは、勿論大切ですが、

どういう思いで食べるのか…は、
もっと大切と言えます。
「命を大切にする。」
「感謝して頂く。」
何気ない挨拶の言葉に込められた意味に思いを馳せる事は、
食べる事の意味=自分自身の生きる意味や、

命を大切にする事につながるのでは無いでしょうか。

 

挨拶は大切に、心を込めて。

感じて謝る?

私達は、日頃生活する上で多くの人達の親切や、

社会的な恩恵を受けています。
ご飯を作って貰ったりだとか、

電車で席を譲って貰ったりだとか。
目に見える形で受けた心遣いには、

有難いと感じ、言葉にすることが出来るのですが、

ほとんどの場合は、気付かれる事無く、そこに存在しています。
例えば、お日様だったり、身体の免疫機能だったり、

亡くなったおじいちゃんの思いだったり…。
目に見えない事を解る為には、
どうしたらいいのでしょうか?
それは、感じるしか有りません。
感じる為には、ある程度の感受性と想像力が必要です。
今まで知らなかった、考えてもみなかったし、気にも留めて無かった。

けど心静かに感じてみると

 

本当はずっと守られていたんだ。
ずっと愛されていたんだ。
今まで気も付かずにお礼さえ言ったことも無かったなぁ。

本当に申し訳無かった…。

 

そんな風に「感じて謝る事」。
それが、感謝の心です。
そして、それを「気づき」と言います。
気(エネルギー)つき(ラッキー)
「気づき」は、幸せへと導いてくれます。

祈りと祈願と

今は、受験シーズン真っ盛り。
志望校を目指して、寝る間も惜しんでの勉学の日々。
でも、やっぱり
最後は神頼み。
天神さんに「合格祈願」の絵馬を奉納します。
「祈願」いわゆるお願いをするわけです。

 

これに対して純然たる「祈り」は、

お願いではありません。

 

「祈り」は「意宣り(いのり)」と書き、

自分の意(こころ)を宣る(宣言する)と言う事を表します。
つまり、私はこうします。
こういう生き方をします。
と神に誓うのです。

 

私は医学部に入って、沢山の人の役に立ちます。
どうか見守って下さい。
そして導いて下さい。
と言うのがいわゆる「祈り」です。

 

お願いしちゃいけないと言う訳では、有りません。
でも、結果の有無に関わらず、

お願いには其れなりの対価(お礼)が必要ですよね。

ごちそうさま

「ごちそうさん」

 

NHK大阪放送局の朝の人気ドラマです。
大阪人は、家の食事だけで無く
外食のあとでも、店員さんに

「ごちそうさん。美味しかったで。また、来るわ。」

と声をかけます。

 

「ごちそうさま」

漢字で書くと「御馳走様」

 

昔は、今と違い食材を調達するのも大変な事でした。
「馳走」とは、
駆けずり廻って、奔走するさまを表しています。
大変な思いをして、食材を集め、料理を作って下さった方に
感謝の意を込めて、丁寧語の
「御」と「様」が付いて
「御馳走様」

 

「いただきます」が、
あなたの命をわたしの命とします。
と言う意宣り(いのり)の言葉。

 

そして「ごちそうさま」は、
その命を、料理(いのちの糧)に
変えて下さった方への感謝の言葉。

 

どちらも美しい日本人の心です。

漢方薬と和漢薬

日本の気候は、
大陸ほど極端な気温の変化が少なくて、

(最近はちょっと変ですが)

四季の移り変わりがある為にゆるやかに穏やかに流れて行きます。

 

その為に、日本人はあまり強い刺激を好まず、

比較的、繊細な感覚の方が多い様に見えます。

それに合わせて鍼もより細くてしなやかになって行き、

鍼先は松葉形と呼ばれる進入し易く、

また痛みを感じにくい形のものへと、
進化して行きました。

 

また、飲み薬も、国内に生育している植物由来のものがほとんどで

(中国では、鉱物や動物由来のものも多いです。)

身体に優しく、効き目も比較的穏やかになっています。

 

中国の漢方薬に対して、日本のそれは、

日本式の漢方薬=「和漢薬」と呼ばれる事もあります。

 

*三回に分けて、日中韓それぞれの違いを書いてきましたが、
ある一面をかい摘んで記したもので、決して全てを表したものでは有りません。

参考程度にお読み頂ければ幸いです。

儒教の教え

気候、風土や生活習慣、

食べ物といったものが変われば
そこに住む人々の体質にも影響を及ぼします。
それに合わせて、治療方法も少しづつ変化して行きます。

 

同じ中国の国内でも寒い地方と暖かい地方では、

当然違います。
昨日のブログの内容は、

王先生の勤務されていた上海の病院では…。
という事になります。

 

韓国の場合、一番の特徴は、
肘から先、膝から先、

或いは顔や耳といった服を脱ぐこと無く
既に露出している部分のツボで

全身の調整を行なう事が多い
という事です。
ご存じの通り、ツボというのは
全身にくまなく分布している訳ですが。
寒さの影響もあると思いますが、

何と言っても儒教の教えによるところが
一番大きいと思われます。

 

特に女性の場合などは、

治療であっても人前で肌をさらす事に
抵抗を感じる方が多い様です。
それに伴って、

発展して行った治療方法と言えるかもしれません。

 

韓国における儒教の影響は、

我々の想像以上に強く残っていて、

治療現場でも日本の場合より、

より伝統的、東洋的な感覚が強く、

初めて治療を受けた時などは

少し戸惑いを感じる事が有るかもしれません。