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実践 唾液腺マッサージ

唾液腺は唾液の「スイッチ」。
押すだけで反応して唾液が出てきます。

 
3つの唾液腺マッサージを全て行ったとしても、

時間にしてものの数分です。
是非、食前に実践してみて下さい。

 
⑴パロチンを多く含む
「耳下腺マッサージ」

 
図のように両手の指を広げ、

人差し指と中指の間に耳をはさみ、

その状態で手のひらをアゴにあてます。
少し顔に圧をかけて軽く筋肉が動くように回す。
前回し10回、後ろ回し10回行う。

 

 

 

⑵粘膜を保護するネバネバ唾液が出る。
「舌下腺マッサージ」

 
親指の腹を使って、アゴの骨の下を押し上げる。
痛くならない程度の力加減で行う。
真上に10回する。
※下の歯茎の裏を舌でなでても刺激できる。

⑶唾液が出る量がNo.1
「顎下線マッサージ」

 
アゴの骨に沿ってのくぼみ、

アゴの骨から首に向かう途中の軟らかい部分の

左右を親指の腹で、優しくプッシュする。
他の唾液腺よりも念入りに、左右30回行う。


※顎下線は頬を動かしても刺激できる。

(押すのと同じ効果が得られる。)
・口に空気を入れて頬を膨らませる。
・その状態から頬をすぼめる。

 

 

その他にも、舌を動かして唾液を増やす方法もあります。
・正面を向き、舌を付け根から思いっきり上下左右に突き出す。

いずれの方向にもそれぞれ10秒間キープする。

以上、先ずは実践を…。

唾液腺マッサージ

唾液腺は「噛む」ことで刺激されるのですが、

私たち現代人は固いものをしっかり

よく噛む回数が減ってきています。

 
そこで唾液腺をマッサージして刺激し、

唾液を出しましょう…というわけです。

 
唾液腺は、唾液のいわば「スイッチ」。
軽く押すだけで反応して唾液が出てきます。

 
唾液腺によって出る唾液の種類や比率が異なりますが、

先ずは唾液量全体を増やすことが大切です。
食前に行うと、食事が美味しく感じられて

より噛む回数が増えます。

 

 

唾液腺は、顎のまわりに3つあります。

 
⑴耳下腺(じかせん)
舌でほっぺたの内側を舐めたときに、

奥から2〜3番目の歯の横に少し突起したものを

舌の先に感じることができると思います。

これが耳下腺です。

 
ここから出る唾液の大部分はサラサラで、

美肌成分のパロチンも含まれています。
唾液量全体の25%が出ます。

 
⑵顎下腺(がくかせん)
唾液の約70%が出ます。
舌の奥にある唾液腺で、唾液を最も多く分泌します。

 
顎の先とエラの部分のちょうど真ん中あたりから

首に向かったところの軟らかい場所にあります。
大部分がサラサラですが、

ネバネバ唾液も多少分泌されます。

 
⑶舌下腺(ぜっかせん)
量は少ない。
舌の裏側の付け根にあり、ネバネバした唾液を出します。
ネバネバ唾液にはムチンが含まれていて、

細菌をからめ取ったり粘膜を保湿する効果があります。

 
以上が唾液腺の種類です。

 
具体的なマッサージの方法は、次回に…。

唾液(だえき)も大事です。

人と話しをする機会が少ない、

パンやクッキーが飲み込みにくい、

唇が渇いて出血する、

ほっぺたをよく噛む、

食事の際に水を飲む習慣がある…。

 
そんな方は唾液不足の可能性があります。

 
唾液が不足すると口臭や歯周病の

原因となる細菌が繁殖してしまいます。

 
また口の中の問題だけに限らず、

その後の消化吸収にも影響を及ぼします。

 
いわば、唾液は口の中のお掃除液。

 
歯垢を洗い流し歯周病を予防する洗浄作用、

病原菌、微生物を退治する抗菌作用、

唾液に含まれるカルシウムやリン酸による

歯の再石灰化作用などの自浄作用があります。

 

 

そんな唾液も加齢とともに減少してくるのですが、

それ以外でも柔らかいものばかりであまり噛まない、

或いは日常的にストレスがある場合でも唾液不足になります。

 
唾液の分泌は自律神経に支配されていて、

緊張や疲労状態で交感神経が優位になると

全体の唾液の量が減少し、ネバネバした唾液が増えます。

 
口の中がネバネバしたり、カラカラになったりして

食べ物が飲み込みにくく、

美味しくなくなってしまいます。

 
その為に、更にストレスがかかり

唾液が出にくくなる、という悪循環にも…。

 

 

そこで次回から、唾液が出やすくなる

簡単な「唾液腺マッサージ」のことを

書いていきたいと思います。

食物繊維とオイル

食物繊維はヒトの消化酵素では消化されない為、

そのまま大腸まで届き、便のもととなって

腸のお掃除をしてくれます。

 

 

食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があります。

 
不溶性食物繊維はキノコ類に多く、

大腸で便のカサを増やし、

腸壁を刺激して腸の蠕動運動を活発にします。

 
水溶性食物繊維は野菜や果物に豊富に含まれ、

腸内で善玉菌のエサとなり腸内環境を整えるほか、

余分な糖や脂肪の吸収を抑える働きがあります。

 

 

日本人の食物繊維摂取量は年々低下しています。

 
キノコ類の他に、納豆、

干ししいたけや切り干し大根などの乾物や

ドライフルーツ、ゴボウなど。

 
普段の食事に1日約5〜6gプラスすると

便通が良くなるとされています。
心がけて摂るようにしましょう。

 

 

あと見落とされがちなのが「オイル」です。

 
オリーブオイルは地中海地域では

古くから便秘対策として重宝されています。

 
オリーブオイルに豊富なオレイン酸は

小腸で吸収されにくく、大腸で便を軟かくして

排便をスムーズにしてくれます。

 
また、亜麻仁オイルやエゴマオイルも

αリノレン酸を多く含み、

毎日大さじ1杯摂ると便通が改善した…

という報告もあります。

 
参考までに…。

腸の大掃除

腸の汚れの主たる原因は、便秘です。

 
便が停滞して腸を掃除できていないと、

腸に弱い炎症が起こります。

 
お通じが良くない、お腹が張りやすい…。
そんな人は腸の大掃除が必要です。

 
と言うわけで、そんな方は「乳酸菌」、「食物繊維」、

そして少量の「オイル」を摂りましょう…というお話しです。

 

 

先ずは、ヒトの腸内に住み着いて

腸内環境を整えてくれる乳酸菌からです。

 
乳酸菌が腸内に多く存在していると、

悪玉菌の増殖を抑えて、善玉菌を増やしてくれます。

 

 

乳酸菌が多く含まれる食品としては、

ヨーグルトなどの乳製品がよく知られていますが、

実は味噌や漬物などにも含まれているのです。

 
多くの味噌は麹菌の仕込み後に

乳酸発酵が行われています。
その為に麹菌との相乗効果も加わり、

より腸内環境を整えてくれます。

 
また、味噌を摂取すると腸内細菌叢で乳酸菌が増加した…

という動物実験での研究報告もあります。

 

 

ヨーグルトなどの乳製品だけで無く、

味噌、ぬか漬け、キムチ、タクアンなどの漬物等、

いろいろな食品から複数の菌を摂取することで、

マンネリ化した腸内細菌を刺激することによって、

腸の働きを活発にし、腸内環境を整えていきましょう。

 

 

次回は、食物繊維とオイルのお話しです。

夏に「甘酒」を。

長い夏の間に蓄積された疲れによって、

私達の身体に必要なエネルギーと栄養分は不足ぎみに。

 
そんな夏バテには、

何よりもアミノ酸とビタミンの補給が1番大切です。

 
そこでおすすめなのが、「甘酒」です。

 
夏に甘酒?
意外に感じられた方も多いと思います。

 
甘酒は、白米、米麹などで作られる

日本の伝統的な甘味飲料です。
お正月やお祭りの時など、昔から冬の寒さをしのぐ

温かい飲み物として重宝されてきました。

 

 

しかし、江戸時代になって庶民の間で

「甘酒は滋養になる。夏バテに効く。」という話が広まり、

甘酒売りが街を賑わす光景が風物詩となりました。

 
その頃から甘酒は「夏の季語」となっています。

 

 

甘酒は、米麹を発酵させたもので、

デンプン質を糖化させた

ブドウ糖が20%以上含まれている為、

甘い飲み物となっています。

 
本来アルコールは含まれていないのですが、

原料が同じで長時間発酵させると

そのまま「日本酒」になるところから

「甘酒」と名付けられたのでしょう。

 

 

お米の表面はタンパク質が多く、そこに麹菌が増殖すると

タンパク質分解酵素の働きにより、

タンパク質をアミノ酸へと変化させます。

 
また麹菌が繁殖する時に、

ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、イノシール、ビオチンなどの

天然型吸収ビタミン群が作られます。

 
つまり甘酒は、ビタミン、アミノ酸などの栄養素に加えて、

ブドウ糖も大量に含まれていて、

さしずめ「飲む点滴」と呼ばれたりします。

 
また、食物繊維やオリゴ糖が腸内環境を整え、

便秘や肌荒れの改善に。

 
さらにペプチドタンパク質を酵素で分解してできる物質が、

天然の降圧剤として、

本態性高血圧の人に効果があると言われています。

 
そのようなことから、甘酒は

「ジャパニーズヨーグルト」と呼ばれたりもします。

 

 

江戸時代に、水分と栄養分を同時に補給する飲み物として、

夏バテ防止に最も重宝されていた「甘酒」。
現代でも利用しない手はありません。

 
クックパッドを見れば、

いろいろな飲みやすいアレンジが載っています。
是非、常温で試してみて下さい。

胃腸バテ

長い間、暑さに晒されると体力が消耗し

結果、胃腸が機能低下を引き起こします。
胃腸の粘膜が収縮して、血流が滞り、

胃液の分泌も少なくなります。

 
すると、食欲が減退して

さっぱりとしたものしか受けつけなくなってしまいます。

例えば「今日のお昼はそうめんにでもしておこう。」みたいな具合に…。

 

 

とりあえず、お腹の中に入れておく…。
このようなことが重なってくると

栄養バランスが崩れてきて、

しまいには「体調不良」へと繋がってしまいます。
いわゆる「夏やせ」、胃バテの状態ですね。

 

 

しかも、暑い夏の日は

ついつい冷たいモノを口にしてしまいがちです。
というか、火照った身体を冷やす為に

ほぼ自動的?にとってしまう感じです。
これが一層、胃腸の不調に拍車をかけます。

 
特に冷たい飲み物は、

ただでさえ分泌量が減っている胃液を薄めて、

消化能力を極端に低下させる一因となります。

 
食べ物が消化されにくくなれば、

エネルギーの補給も十分でなくなり、

身体はどんどん深刻な状態へと追い込まれてしまいます。

 

 

さまざまな機能低下を引き起こす蓄積型の夏バテ。
長い夏の間に知らないうちに

不調の澱のように溜まっていってしまうのです。

 

 

お盆が終わり、台風が過ぎ去って、

朝晩の気温が少しずつ下がって来るこの時期、

逆に蓄積された夏の疲れが

一気にドッ〜と出て来ることがあります。

 
次回は、その対策について…です。

夏の塩分摂取に関する提言

真夏の暑い日に、

私たちはどれくらい塩分を失っているのでしょうか?
とある実験結果があります。

 

 

5時間程、蒸し暑い部屋の中で普段通りの生活をした場合と、

1時間半程度、サッカーなどの激しいスポーツをした場合の

体外に排出される塩分量について…です。

 

 

前者が約2g程度で、後者の運動した方で約10g程です。

 

 

そう、予想以上に塩分は体外に排出されないものなのです。
特に、じんわりと汗をかいている場合には…。

 

 

ちなみに日本人の1日の平均塩分摂取量が約10.7g。
結構多い方です。

 
人間の身体は本来、

1日に約2〜3g程度の塩分があれば十分なのです。

 

 

熱中症予防の為に…と塩分を取りすぎると、

かえって高血圧の危険性が高まってしまうのです。

 

 

つまり、大量に汗をかいたときは、

塩分補給が必要なのですが、

大量に汗をかかない「日常生活」においては、
・塩分は普段の食事で十分。
・こまめな水分補給が大切。
というわけです。

 

 

では、具体的な塩分補給の目安は?
・30分〜1時間程、

運動や屋外での作業などで長時間汗をかいたとき。

 
・びっしり型の汗(玉のような汗)をかいたとき。

 

※玉のよう汗をかいたときは、汗を舐めてみて、

しょっぱかったら塩分が体外に排出されている証拠です。

 

 

びっしり型の汗の場合は、

塩分と糖分を一緒にとる(スポーツドリンクなど)と

水分の吸収が、より速くなります。

 

 

※最後に「日本高血圧学会」発表している

「夏の塩分摂取に関する提言」を記しておきます。

 

 

日本人の食塩摂取量は必要量をはるかに超えています。
夏でも汗を多くかいた場合を除いては、

塩分を過剰にとらないようにおすすめします。
特に高齢者の方はあまり大汗をかきませんので、

塩分をとると逆に健康を害することになります。

 

 

以上です。

ポイントはタンパク質

運動の後30分以内に「牛乳」を飲むと、

熱中症になりにくい体質になる…と

熱中症予防を扱う学会(生気象学会)で提唱されています。

 

 

汗をかいて脱水症状を起こし、

全身に回る血液量が不足すると熱中症が起きやすくなります。
その予防法としては、血液量(水分量)を増やして保つことです。

 

 

牛乳を飲むと血液量が増えます。
ポイントは牛乳に含まれている「タンパク質」を摂ることです。

 
牛乳も、もとは血液から出来ています。
乳腺で血液から血球をこし取って

タンパク質などを濃縮したものです。

 

 

だから、牛乳を摂ることによって血液量と

筋肉の成分であるタンパク質を増やすことが出来るのです。

 

 

ただ、牛乳も飲み方を間違えると

逆効果になるので注意が必要です。

 
飲み始めて効果が出るまでに

最短で1週間、平均すると約1ヶ月かかります。

 

 

脱水症状が起きているときに、

飲んで直ぐに熱中症を食い止める作用が強い…

というわけではありません。

 

 

それどころか、牛乳は飲んでから水分が吸収されるまでに

最短でも20分程の時間を有します。

 
何故なら、牛乳には大量のタンパク質が含まれているので、

胃で消化された後に、十二指腸に送られます。
水分の吸収も腸で行われるので、

運動後に牛乳を飲んでも直ぐには、

水分の補給とはならないのです。

 
あくまでも牛乳は、

熱中症になりにくい体質に改善することが目的…なのです。

 

 

そこで、運動した後には先ず普通に水を飲んで、喉の渇きを癒して、

その後30分以内に牛乳を飲むと良いでしょう。

 

 

でも、水を飲んで、また牛乳なんてお腹タポタポで無理…。
実際は、そんな方が多いと思います。
そういう場合は、「ヨーグルト」での代用もOKです。

 
ヨーグルトは牛乳を発酵させたもので、

消化しやすく良質のタンパク質が摂れます。
ヨーグルト飲料なども市販されていますし、

熱中症の予防に是非。

 
ポイントはタンパク質です。

湿気った身体に良い食材と水。

梅雨時、つまり湿度の高いこの時期に

摂ると良い食材を紹介してみます。

 

 

⑴利尿作用のある食材
小豆、冬瓜、緑茶、アサリ、キュウリ、トマトなど。

 

 

⑵発汗作用のある食材
生姜、ネギ、シソ、わさび、ペパーミントなど。
香味が外湿で塞がった毛穴を開く作用がある。
また身体を温め、食欲増進作用を期待出来る。

 

 

⑶気のめぐりを良くして、イライラやストレスを緩和する食材。
オクラ、ワカメ、セロリ、ニンニク、クラゲなど。

 

 

また、身体にとって良い「水」とは…。
それは、「体温に近い、ただの水」です。

 
体温に近いというのは、つまり「ぬるま湯」のことで、

飲みごたえという点ではもう一つかもしれませんが、

身体に負担をかけないことがベスト…なのです。

 
こんな冷たくも無く、熱くも無い水のことを
東洋医学では「陰陽水」と呼びます。

 

 

そして「ただの水」とは、無料の水のこと…ではありません。
無味無臭、何の味も、細工も加えられていない、

いわゆるただの水のことです。

 

 

甘い、辛い、味が濃い、刺激が強い、

或いはキンキンに冷えたジュースやビール、

お酒やアイスなどは、ただの水とは呼べません。

 

 

つまり、身体にとって良い水とは、体内環境に近い水。

 
違和感無く吸収できて、胃腸への負担が少ない…

そんな水を適度に補給するように心がけましょう。