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陰極まって陽となる日

今日12月22日は24節気の一つ「冬至」にあたります。

 
冬至の日は、北半球においてはこの日が1年のうちで
最も昼(日の出から日没まで)の時間が短く、

夜の時間が最も長くなる日です。

 

なお、1年で日の出の時刻が最も遅い日は、

日本では冬至の約半月後、

日の入りの時刻が最も早い日は冬至の約半月前となり、

冬至の日とは一致しません。

 

 

冬至には、太陽の力が最も弱まった日を

無事やり過ごすことが出来た…ことを祝って

世界各地で冬至祭が祝われています。

 
クリスマスも本来は、キリストさんの誕生日では無く、

イラン発祥のミトン教の冬至祭儀や、

ドイツ、北欧のユール(ゲルマン人の冬至祭)が

キリスト教と融合して出来た…とも言われています。

 

 

1年で最も日が短いということは、

翌日からは日が長くなっていく…ということ。

 
そこで、冬至が「太陽が生まれ変わる日」ととらえて、

中国や日本では、1番弱まったこの日を境に再び力が甦ってくる…。
つまり、「陰極まって陽にかえる日」という意味あいで

「一陽来復(いちようらいふく)」と呼ばれたりします。

 
冬至の日を境に「運」が向いてくる、

開運、上昇運に転じる…と考えられているのです。

 
冬至には、昔からカボチャを食べる風習がありますが、

これも「開運」と関係があります。

 
「ん」がつくものを食べて「運」を取り込む…というわけです。
にんじん、だいこん、レンコン、ギンナン、うどん、

そしてなんきん(カボチャ)。

 
南瓜で陰(北)から陽(南)に転じる…というわけです。

 
カボチャは、ビタミンAやカロチンが豊富で、

中風やボケ防止長生きする、
冬場の栄養補給などの効用ももちろんあります。

 
その他には、「柚子風呂」や「小豆粥」を食する…

などの風習もあります。
何れも寒い冬を乗り切るための先人の知恵と言えます。

 

 

明日から、日は少しずつ長くなっていきますが、

寒さは逆に厳しくなってきます。
でも、冬至の今日を境に

「陰」から「陽」へと開けていきます。

 
お日様の力はやっぱり偉大ですね。

「今」を生きる。

東洋医学での病気の原因のひとつに「内因」があります。

 
人間には喜、怒、思、悲、憂、恐、驚の

七つの感情(七情)があるとされています。
この感情が度を越して、過ぎたり、長期にわたって続くと

「内因」となって心身の健康を蝕むもととなります。

 

 

だから、感情は出来るだけ表に現さずに、

常にポーカーフェイスを心がけましょう。
その為には、瞑想をして「心」を鎮めましょう。
なんてことは、絶対にあり得ません。

 

 

そもそも怒りや、悲しみや喜びは人間が生きていく上で、

正常で当たり前の反応であり、表現法の一つでもあります。

 

 

嬉しい時には多いに喜び、悲しい時にはワンワン泣いて

悔しいときには大声で叫んだって良いんです。
それは、正常で健全な感情の表現…なんですから。

 

 

それを我慢して溜め込んだり、感じないフリをして誤魔化したり、

またいつまでもその感情に囚われてしまうことが「内因」なのです。

 
その場で上手に表現して、パッと忘れてしまえれば「内因」には為りません。
「泣く」ストレス解消法だってあるくらいですから…。

 

 

正常な感情表現か?「内因」か?

その違いは何処にあるのでしょうか?
それは、「何時(いつ)」にあります。

 

 

上手に表現することが出来ずに溜め込んだり、

ずっと一つの感情に囚われている人は、

「過去」に生きています。

 
辛いことや悲しかったこと、あんなことやそんなこと。

あの時、こうしていれば良かった。
それは「今」では無い、「過去」の出来事です。

 

 

もし、そうなったらどうしよう?考えただけで不安になる。
これから起きるかも(起きないかも)知れないことを先暗示ばかりしてしまう。
それは「今」では無い、「未来」に生きています。

 

 

内因は、今現実に目の前で起こる出来事では無く、

過去や未来のいわゆる実態の無い感情に

囚われ過ぎることで生まれるのです。

 

 

自分のエネルギーのほとんどが、

過去か未来に行ってしまっているわけです。
これでは、エネルギー不足で病気になっちゃいますよね。

 

 

「今」を生きること。
更に言えば、
今、ここに生きること。
更に、更に言えば、
今、ここに、自分自身を生きること。

 

 

これが、健康で健全に生きるコツ…です。

今を生きていますか?

30年前の未来。

2015年10月21日、午後4時29分。

 
映画バック.トウ.ザ.フューチャーpart2で、

マイケル.J.フォックス演じるマーティ.マクフライが

タイムトラベルでやって来た「未来の日付」です。

 

 

30年前に封切られた大ヒット洋画に因んで、

昨日は日本やアメリカ各地で、色々なイベントが開催されたようです。

 

 

私も、当時付き合い始めたばかりの彼女と

見に行った思い出があるのですが、

30年後の今、その彼女と結婚して、

子供が4人もいるなんて想像もつきませんでした。

 

 

30年前に見た未来。
どんな風に叶っているのでしょか?

 
宙に浮くスケボーや、

靴ひもが自動的に調整できるスニーカー、

ゴミを燃料にして走る「デロリアン」…。

 
その日、その時に合わせて「企画」されたものもありましたが、

タッチパネルや腕時計型のスマホなど

当時は、想像すらされていなかった「進化」もあります。

 

 

でも、さすがに時空を超える「タイムマシン」は、

未だ発明されてはいません。

 

 

では、私たち人間はこの30年で

どれくらい「進化」を遂げたでしょうか?
それこそ「?」です。

 

 

個人的に見ても、見た目や体力なんてのは、

進化どころか明らかに劣化している感が否めません。

 

 

30年…どころか、10年一昔前とはよく言ったものです。

 
東洋医学では、人間の身体は、女性は「7の倍数」、

男性は「8の倍数」で変化する…と言われています。

 
子供から、思春期を経て大人になり、成長し、

やがて中年から壮年、老年へと向かうサイクルを

誰もが辿っていきます。

 

 

血漿や、歯や髪の毛、骨や神経、脳を含む内蔵など、

全ての細胞は、7〜8年でスッカリ入れ替わってしまいます。
同じ「私」という人間の中身(細胞)は、

7〜8年前とは全く違う「別人」となっている…というわけです。

 

 

タイムマシンに乗って、過去や未来に行って、

やり直したり、書き換えたり、なんてことは不可能な話ですが、

毎日何を食べるか?どんな生活を送るか?どんな考え方で過ごすか?
つまり、どう生きるか?を選択することで、7〜8年先の未来を
自ら「創造」することは、誰にでも可能性のある話です。

 

 

未来の為に、「今」を大切に。

自覚症状が無い「かくれ冷え」

前回、冷え性には3つのタイプがあります…という説明をしましたが、

東洋医学的にはその前段階的な「未病」という状態、

つまり本人に自覚症状が無い、

いわゆる「かくれ冷え」というべき状態があります。

 

 

東洋医学では、「気」・「血」・「水」という

3つの要素のバランスが健康の目安となります。

 
昔から「病は気から」という言葉通り、

まず最初に気が乱れて、それが高じると

血や水の異常につながることとなります。

 

 

冷え性の場合でいうと、

気の巡りが悪くなると精神的な緊張が高まり、

手足が冷えてきます。(自律神経症状)

 
次いで、血が「瘀血」というドロドロに滞ると腰から下が冷えてきます。

 
水が溜まりすぎて「水毒」の状態になるとお腹が冷えます。

 

 

気の乱れは未病という状態です。
出来ればその段階で対策を講じることが肝要です。
自覚症状が無いからといってほって置くと

次のような症状に繋がることがあります。

 
・身体の内部の体温が下がることで免疫力が低下する。
・基礎代謝が低下することで太りやすくなる。
・自律神経が乱れてむくみや肩こりが生ずる。
・内臓の働きが悪くなる。
・うつ傾向に陥る。

 

 

冷えの自覚が無くても、
・お腹がポッコリと出ている
・お腹を触るとおヘソより上の方が冷たい。
・腹筋運動ができない。
・足指じゃんけんができない。

そんな方は、要注意です。

 
ネギやニラ、生姜、シナモンなどの

香りの高い薬味やスパイスを摂るように心がけましょう。

内湿の対処法。

身体が湿気る…つまり体内に余分な水が留まっている状態。

 

 

水分の循環を良くして、悪い老廃物の溜まった水分を排出し、

新しいキレイな水を取り入れることが重要です。

 

 

そのためには、
⑴汗をかき、代謝を良くすること。
適度な運動や、半身浴、サウナ、入浴などでしっかりと汗をかき、

そのうえで適度な水分を摂るように心がけましょう。
※お酒などのアルコール類は、体内の水分を奪うので注意。

 

 

⑵身体を温める。
冷えは、体内に水分を留めてしまう原因の一つです。
外湿により汗が排出されにくなり、

また汗をかいた状態でエアコンなどにあたり汗が乾き、

それが冷えの原因にもなります。
汗をこまめにふいたり、着替えたりも必要です。

 
温めること、そして冷やさないことが肝要です。

 

 

そのうえで、冷たい飲み物や生もの、甘いもの、油っこいもの、

味が濃いものは出来るだけ避けるようにして下さい。

 
胃腸の負担が少ないものを選びましょう。

 

 

食事や水分の摂りかたについては、次回に詳しく説明します。

外湿と内湿

湿気(湿度)は私たちの体調や、

生活における快適さに影響を及ぼします。

 
東洋医学では、人体に影響を及ぼす

湿気(湿邪)を大きく2つに分けて考えています。

 
⑴外湿(がいしつ)
⑵内湿(ないしつ)

 

 

外湿とは身体の外側、つまり大気中の湿気(湿度)のことを指します。
空気中の湿度が高いと人体にさまざまな影響を及ぼします。

 

 

内湿とは、体内の湿気(水分)。
水分の「量」だけで無く、その「質」も関係します。
体内の水分代謝の異常や低下によって

蓄積された余分な水…のことです。
「水毒」とも呼ばれます。

 

 

この外湿と内湿はお互いに無関係では無く、

空気中の高い湿度が内湿体質の方に影響を与えます。

 

 

大気中の湿度は、エアコンなどで調整するとして

(環境要因については次回に…。)、

まずは内湿=体内の水分代謝の改善について説明していきます。

 

 

体内の水の流れをよくする方法は、これも大きく分けて2つあります。
⑴水分量の調整
⑵水分の質の選択

 

 

水分量の調整は、取り入れる量(飲む、食べる)と、

排出する量(汗、オシッコ、ウンチ)のバランスのこと。

 

 

水分の質の選択とは、どんな水が身体にとって

負担の少ない優しいものか?ということです。

 

 

詳しくは、次回に続きます。

脂肪と糖の誘惑

アレルギー体質や、陰性体質の方の

体質改善の為に3つの「ひ」…ということで、書いてきましたが、

今日は逆に、摂り過ぎると良くない食品についてのお話です。

 
陰性体質の方が、摂り過ぎると良くないもの…

それは、甘いもの、冷たいもの、身体を冷やすもの、

刺激物、アルコール類、
インスタントや加工食品、添加物などの化学物質、

そして酸化した油など…です。

 

 

冷たいものを食べると、

身体を冷やすのは当然ですが、

それ以外の「身体を冷やすもの」とは

具体的にどんなものでしょうか?

 
それは、ジュース、ケーキなどのスイーツ類やフルーツなどです。

 
フルーツでは特にキウイ、マンゴー、バナナ、パイナップルなど、

南の地方で採れたものが、それに当たります。

 
また、トマトやキュウリ、ナスなどの、

いわゆる夏野菜も身体を冷やす食材になります。

 

 

それは、基本的に気温の高い南の地方や、

夏の時期に採れるものは、

それを食べた人の体温を下げる働きがあるからです。

 

 

その為に、どの食材も甘くて水分がたっぷり含まれています。

 

 

そう、甘いものも身体を冷やします。

特に、白砂糖は陰性食材の代表とも言えます。

 

 

そして、アルコール類もそうです。
アルコール類は、日本酒やワインなど、

ほとんどが発酵、醸造食品だし、

飲めばほんのりと身体が温かくなるのに、

どうして良くないの?という疑問が湧いて来ると思います。

 
これは、「摂り過ぎると良くない」もので、

「摂ってはダメ」ということではありません。

 
アルコールの摂り過ぎると、

身体を温めますが、急激に体温を放出し、

却って身体を冷やしてしまいます。
アルコール度数が高いほど、

その傾向が強くなります。

 
東洋医学で言うところの

「陽極まれば陰となす。」に当たります。

 
同じような理由で、動物性の油脂もそうです。

 

 

いずれの食品も「摂り過ぎ」には、注意したいものです。

 

 

しかし、「特保のお茶」のCMにもある様に、

「美味しいものは、脂肪と糖で出来ている。」のです。
(タンパク質もそうですが…。)

 
身体に良くないと知りつつも、

いや、分かっているから尚更、

誘惑に負けて食べ過ぎ、飲み過ぎてしまうのが、

「人情」というものです。

 

 

先ずは、何を食べるか?食べないか?の前に、

如何に自分自身をコントロールするか…が試されています。

日(ひ)をかさねる

ダイエットと並んで、女性の方々が最も興味があるのが、

アンチエイジングではないでしょうか?

 
服装や髪形、お化粧の仕方など、見た目もさることながら、

出来れば細胞の一つ一つまで、

年齢を感じさせたく無い、若返りたいと切望されているのでは?

 
そんな方にピッタリなのが、「エイジング」食品です。

 
東洋医学で言うところの「陰陽」のカテゴリーで、

「時間」は「陽」となります。
そして「陽」のエネルギーは、活動的で求心的です。

 
つまりは、エイジング食品を摂ることで、細胞を活性化し、

お肌を引き締める効果が期待出来る…というわけです。

 

 

ては、エイジング食品とは

具体的にどの様なものを指すのでしょうか。

 

 

それは、時間や日数をかけて、熟成された食品、

つまり「発酵」「醸造」食品のことです。

 

 

発酵食品で、先ず思い浮かぶのが、

ヨーグルトやチーズなどのいわゆる乳酸菌食品です。
クリームチーズ、発酵バター、

サワークリームなんかもそうですよね。

 
乳製品以外にも、まだまだ沢山の発酵食品があります。

 
調味料でいうと、醤油、味噌、豆板醤、

コチュジャン、テンジャン、チョングッチャン…
※韓国味噌、いろいろ種類がありますね。

韓国の女性の肌がきれいなのに関係があるのかも?

 

 

あと、醸造酢、ヴィネガー、バルサミコ酢、

塩こうじ、ナンプラーなど。

 

 

漬物で、タクアン、キムチ、ぬか漬け、ピクルスなど。
※漬物でも、浅漬けや千枚漬けなんかは、

発酵食品ではありません。

 
サワークラフト、メンマ、それに納豆も発酵食品です。

 

 

動物系だと、かつお節、アンチョビ、イカの塩辛、鮒寿司、
あと、サラミ、ペパロニなんかもそうです。

 

 

パンも発酵食品ですし、

日本酒、焼酎、ビール、ワイン、泡盛、マッコリなどの

アルコール類も発酵、醸造食品と言えます。

 

 

まあ、アルコール類は量が過ぎると、

却ってカラダを冷やして陰性に傾いてしまうので、

注意が必要ですが…。

 

 

続きます。

陽(ひ)にあてる

健康な生活を送るために、

直接太陽の光を浴びることも必要ですが、

たっぷりとお陽さまにあたった食材を選んで、

食卓に上げることも大切なことです。

 

 

体質改善に3つの「ひ」。
2つ目の「ひ」は、「陽(ひ)」。

 
つまり、太陽の光にあたった食材を食べましょう…

ということになんですが、

何も真っ赤に色づいたトマトや、
「太陽の果実」マンゴーやキウイを食べると良いですよ…

というわけでは、ありません。

 

 

この場合の「陽」は、天日干しした食材、

いわゆる「乾物」全般のことを指します。

 

 

保存食として重宝される「乾物」ですが、

その保存性もさることながら、

栄養価に於いても「生食」よりも高いものがあります。

 
天日干しすることによる殺菌、消毒効果が期待出来ますし、

何よりも香りや旨みといった「風味」が増します。

 
余分な水分がとんで、

ビタミン、カルシウム、鉄分といったミネラルや

食物繊維などの栄養素が、ギュッと濃縮されます。

 

 

例えば「干し椎茸」は、日光にあたることによって、

ビタミンDが生の椎茸の約10倍になりますし、

食物繊維が豊富な大根は、

「切り干し大根」にすることにより、容量(かさ)が格段に減り、

多くの量が食べられることが出来て、

便秘などにより効果があります。

 
また、凍り豆腐や凍み豆腐とも言われる「高野豆腐」、

「干し柿、干しぶどう」、「ドライフルーツ」などもそうです。

 

 

野菜、豆類、果実以外でも、

「昆布」、「ヒジキ」、「海苔」、

「煮干し」、「スルメ」などが挙げられます。

 

 

しかし、いずれの食品(乾物)も、温風や熱処理で、

ただ水分をとばして乾燥させるだけ…

では意味がありません。

 

 

体質改善の為には、

食材を陽(ひ)にあてる=「天日干し」することによって、

お陽さまの恩恵を身体に取り入れること…が

最も重要なポイントとなります。

 

 

次回は3つ目の「ひ」、「日」をかさねる…です。

乾熱と湿熱

前回、食材を加熱調理する際の「熱」の種類には、

「乾熱」と「湿熱」の2つがある…というお話をしました。

 

 

乾熱とは、食材に含まれている「水分」を奪いながら、

加熱する調理法のことで、「脱水調理法」と呼ばれます。

 
焼く、炒める、揚げる調理法がこれに当たり、

調理温度は100℃を超えます。

 
湿熱は、食材に「水分」を加えながら、

加熱する調理法のことで、「加水調理法」と言います。

 
蒸す、茹でる、炊く、煮る調理法がこれに当たり、

調理温度は100℃を超えません。

(圧力鍋は、例外です。)

 

 

以上のことから考えると、加熱温度が高く、

「陰性」の水分を奪う脱水調理法である「乾熱」の方が、

より「陽性」になり易い…ように思えますが、

実は必ずしもそうとは言えないのです。

 

 

理学療法科学学会が2010年に発表した論文では、

人体を熱エネルギーで刺激する「温熱療法」の内、

「乾熱式」(電熱式)のホットパックと、

「湿熱式」のホットパック

(加湿器で蒸したシリカゲルやベンナイト入りの袋)

とを比較した場合、「筋硬度」が、
湿熱式の方が乾熱式より有意に低下した…

という結果が得られています。

 

 

湿熱の方が、

より筋肉を軟らかくし、血管を拡張させる…というわけです。

 
つまり、湿熱の方が生体への熱伝導が大きいのです。

 

 

これは何故かと言うと、

生体では含水率の高い組織ほど加温され易く、

深部の筋組織まで伝導するには時間がかかる為です。

 

 

身体が凍えるような寒い日は、

ストーブや暖炉の「火」が直ぐに熱を伝えてくれますが、

そう長くは立ってられません。
そして、その場を離れるとすぐに冷えてしまいます。

 
その点、「温泉」なら長く浸かれることが出来て、

上がった後もポカポカと温かさが持続してくれます。
身体の「芯」まで温もった感じがします。

 

 

つまりは、「湿熱」の方が「乾熱」よりも

熱伝導という点に於いてはより「陽性」となる…と言えます。

 

 

そういうことから考えると、

お肉なんかはミンチにして先ず表面を加熱した後に、

オーブンにかけて、その上で長時間ソースで煮込んだ

「煮込みハンバーグ」などは、超陽性な代物だと言えるでしょう。
(お肉料理が、体質改善に「適」かどうかは別として…ですが。)

 

 

次回は、「陽(ひ)」について…です。