月別アーカイブ: 2015年8月

夏に「甘酒」を。

長い夏の間に蓄積された疲れによって、

私達の身体に必要なエネルギーと栄養分は不足ぎみに。

 
そんな夏バテには、

何よりもアミノ酸とビタミンの補給が1番大切です。

 
そこでおすすめなのが、「甘酒」です。

 
夏に甘酒?
意外に感じられた方も多いと思います。

 
甘酒は、白米、米麹などで作られる

日本の伝統的な甘味飲料です。
お正月やお祭りの時など、昔から冬の寒さをしのぐ

温かい飲み物として重宝されてきました。

 

 

しかし、江戸時代になって庶民の間で

「甘酒は滋養になる。夏バテに効く。」という話が広まり、

甘酒売りが街を賑わす光景が風物詩となりました。

 
その頃から甘酒は「夏の季語」となっています。

 

 

甘酒は、米麹を発酵させたもので、

デンプン質を糖化させた

ブドウ糖が20%以上含まれている為、

甘い飲み物となっています。

 
本来アルコールは含まれていないのですが、

原料が同じで長時間発酵させると

そのまま「日本酒」になるところから

「甘酒」と名付けられたのでしょう。

 

 

お米の表面はタンパク質が多く、そこに麹菌が増殖すると

タンパク質分解酵素の働きにより、

タンパク質をアミノ酸へと変化させます。

 
また麹菌が繁殖する時に、

ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、イノシール、ビオチンなどの

天然型吸収ビタミン群が作られます。

 
つまり甘酒は、ビタミン、アミノ酸などの栄養素に加えて、

ブドウ糖も大量に含まれていて、

さしずめ「飲む点滴」と呼ばれたりします。

 
また、食物繊維やオリゴ糖が腸内環境を整え、

便秘や肌荒れの改善に。

 
さらにペプチドタンパク質を酵素で分解してできる物質が、

天然の降圧剤として、

本態性高血圧の人に効果があると言われています。

 
そのようなことから、甘酒は

「ジャパニーズヨーグルト」と呼ばれたりもします。

 

 

江戸時代に、水分と栄養分を同時に補給する飲み物として、

夏バテ防止に最も重宝されていた「甘酒」。
現代でも利用しない手はありません。

 
クックパッドを見れば、

いろいろな飲みやすいアレンジが載っています。
是非、常温で試してみて下さい。

胃腸バテ

長い間、暑さに晒されると体力が消耗し

結果、胃腸が機能低下を引き起こします。
胃腸の粘膜が収縮して、血流が滞り、

胃液の分泌も少なくなります。

 
すると、食欲が減退して

さっぱりとしたものしか受けつけなくなってしまいます。

例えば「今日のお昼はそうめんにでもしておこう。」みたいな具合に…。

 

 

とりあえず、お腹の中に入れておく…。
このようなことが重なってくると

栄養バランスが崩れてきて、

しまいには「体調不良」へと繋がってしまいます。
いわゆる「夏やせ」、胃バテの状態ですね。

 

 

しかも、暑い夏の日は

ついつい冷たいモノを口にしてしまいがちです。
というか、火照った身体を冷やす為に

ほぼ自動的?にとってしまう感じです。
これが一層、胃腸の不調に拍車をかけます。

 
特に冷たい飲み物は、

ただでさえ分泌量が減っている胃液を薄めて、

消化能力を極端に低下させる一因となります。

 
食べ物が消化されにくくなれば、

エネルギーの補給も十分でなくなり、

身体はどんどん深刻な状態へと追い込まれてしまいます。

 

 

さまざまな機能低下を引き起こす蓄積型の夏バテ。
長い夏の間に知らないうちに

不調の澱のように溜まっていってしまうのです。

 

 

お盆が終わり、台風が過ぎ去って、

朝晩の気温が少しずつ下がって来るこの時期、

逆に蓄積された夏の疲れが

一気にドッ〜と出て来ることがあります。

 
次回は、その対策について…です。

夏の塩分摂取に関する提言

真夏の暑い日に、

私たちはどれくらい塩分を失っているのでしょうか?
とある実験結果があります。

 

 

5時間程、蒸し暑い部屋の中で普段通りの生活をした場合と、

1時間半程度、サッカーなどの激しいスポーツをした場合の

体外に排出される塩分量について…です。

 

 

前者が約2g程度で、後者の運動した方で約10g程です。

 

 

そう、予想以上に塩分は体外に排出されないものなのです。
特に、じんわりと汗をかいている場合には…。

 

 

ちなみに日本人の1日の平均塩分摂取量が約10.7g。
結構多い方です。

 
人間の身体は本来、

1日に約2〜3g程度の塩分があれば十分なのです。

 

 

熱中症予防の為に…と塩分を取りすぎると、

かえって高血圧の危険性が高まってしまうのです。

 

 

つまり、大量に汗をかいたときは、

塩分補給が必要なのですが、

大量に汗をかかない「日常生活」においては、
・塩分は普段の食事で十分。
・こまめな水分補給が大切。
というわけです。

 

 

では、具体的な塩分補給の目安は?
・30分〜1時間程、

運動や屋外での作業などで長時間汗をかいたとき。

 
・びっしり型の汗(玉のような汗)をかいたとき。

 

※玉のよう汗をかいたときは、汗を舐めてみて、

しょっぱかったら塩分が体外に排出されている証拠です。

 

 

びっしり型の汗の場合は、

塩分と糖分を一緒にとる(スポーツドリンクなど)と

水分の吸収が、より速くなります。

 

 

※最後に「日本高血圧学会」発表している

「夏の塩分摂取に関する提言」を記しておきます。

 

 

日本人の食塩摂取量は必要量をはるかに超えています。
夏でも汗を多くかいた場合を除いては、

塩分を過剰にとらないようにおすすめします。
特に高齢者の方はあまり大汗をかきませんので、

塩分をとると逆に健康を害することになります。

 

 

以上です。

水分か、塩分か、それとも…。

人間は、汗をかくと水分と同時に塩分も排出されます。

 
その状態で「水分」のみを補給すると、

身体の塩分濃度が薄まってしまいます。

 

 

そうならないように、身体は

尿などで「水分」を追い出そう、追い出そうとします。
だから、水を飲んでも飲んでも、

身体の方は「水分」を排出する方向へと働きます。

 
その結果、熱中症になってしまうのです。

 
だから、「塩分」を補給しましょう…というわけです。
塩飴や梅干しを食べたり、スポーツドリンクを飲んだり…。

 

 

でも、「夏だから」、「汗をかいたから」…といって

「塩分」を意識して摂ることは、

実は正しいことばかりでは、無いのです。

 

 

身体の汗をかく部分(汗腺)には、

汗をかくときに塩分を身体から必要以上に排出しないように、

出ていこうとする塩分を身体に取り込もうとする働きがあります。

 
ですから、じんわりと汗をかいている状態などでは、

思いの外、身体から塩分は体外へと排出されてはいません。

 
しかし、スポーツなどの激しい運動や、

日中炎天下の元で作業をした時など、

大量の玉のような汗をかいた場合は、

汗と同時に大量の塩分を失うことになり、

汗腺の塩分を取り込む働きが追いつかず、

結果的に脱水による「熱中症」の危険性が高まるわけです。

 

 

つまり、塩分の補給は「汗のかきかた」によって

摂る必然性が異なってくるのです。

 

 

具体的なお話は、次回に。

あゝ、暑気あたり

高温多湿の日本の夏。
私達は昔から、季節に寄り添い順応することで、

この夏の暑さを何とか乗り切って来ました。

 

 

しかし、このところの暑さは、以前のそれとは明らかに異なります。

猛暑日などというほぼ体温と同じ気温が続いて、本当に過酷です。

 

 

それに今の時代、昔のように上手に

身体を変化させることが出来ない人も増えています。

 
それは、「クーラー」のせいもあります。
少し暑いだけで、すぐにクーラーのスイッチを入れてしまうことで、

季節に寄り添うことができずに、

じわじわと上がっていく温度に向き合えなくなってしまうのです。
(※クーラーを使うな、と言っているわけではありません。

現代ではそんなことは、とても無理な事ですから。)

 

 

そうすると熱を放出してくれる汗をうまくかけなくなってしまいます。
つまり汗腺の機能低下を起こすのです。

 

 

しかも日本の夏は、高温なだけで無く多湿な分、

余計に始末が悪くなります。
湿度が高いと、汗は蒸発しにくくなり、

熱を放出出来にくくなる為です。
この二重苦によって、熱が身体の中にこもり、

その熱にやって体力が奪われていきます。

 
いわゆるこれが、暑気あたり、夏バテと呼ばれる状態です。

 

 

一方、普段からスポーツをしたり、サウナやお風呂好きで

汗をかくことに慣れている人達もいます。
こんな人は夏バテしないのか、というとそんな事もありません。
なにせ、以前と違い暑さの質が違うのです。

 

 

体温に近い気温が続くと、汗をかきすぎて、

塩分やミネラルが大量に失われて、

体内の電解質バランスが崩れてしまいます。

 

 

その結果、非常に疲れやすくなり、

ひどい場合は低ナトリウム血症に陥ってしまうこともあります。

 

 

続きます。

健康であること

お盆休み、皆様どう過ごされましたか?

 
今年は、戦後70年。
安倍首相の70年談話や、

戦争そのものを改めて検証する

報道や番組が数多くありました。

 
また、日航機墜落事故から30年が経ちました。

 
熱戦を繰り広げる高校球児達の戦いも

100回目の記念の大会を迎えました。

 
色々な意味で、節目となるこの夏。

 
この「当たり前」のように見える日常は、

果たして当たり前のことなのでしょうか?

 

 

私たちの心と身体が健康である為には、

その個々人の思い…だけでは無く、

地球が健康であること、

国家が平和であること、

地域や社会が健全であること、

その為には、そこに生きる人々の思念や教育、

歴史や文化が何より大切である…と

改めて考える機会が与えられた夏でもあったように思います。

 

 

今日17日から、杏林堂鍼灸整骨院も

通常通りに施術為せて戴きます。

 
宜しくお願い致します。

お盆休みのお知らせ

暑い日が続いています。
この数日、夕立ちならぬピンポイントの雷雨に見舞われて?

朝晩の気温は、幾分なりともマシになった感があります。

 
お盆の13日には、お天気も下り坂で

長らく続いた猛暑日も、とりあえずひと休み…

予報が出ています。

 

 

杏林堂鍼灸整骨院も

明日13日(木)〜16日(日)まで

お盆休みとさせて戴きます。

 

 

患者さんの中には、

「お盆のお墓参りは、

あんまり暑いんで休まして貰って、

お彼岸にしますわ。

やっぱり、亡くなってる人より

生きてる人間の方が大事やからなぁ。

ご先祖さんも分かってくれてはるやろ。」

と話して下さるご高齢の方もおられます。

 
今年のこの暑さを考えると、なるほど一理あります。
そう、物は考えよう。
ようするに、気持ちの問題…だと思います。

 

 

熱中症に、そして夏バテに、充分に留意されて

このお盆休みを「楽しく」お過ごし下さい。

 

 

17日(月)から平常通り施術いたします。
宜しくお願いいたします。

ポイントはタンパク質

運動の後30分以内に「牛乳」を飲むと、

熱中症になりにくい体質になる…と

熱中症予防を扱う学会(生気象学会)で提唱されています。

 

 

汗をかいて脱水症状を起こし、

全身に回る血液量が不足すると熱中症が起きやすくなります。
その予防法としては、血液量(水分量)を増やして保つことです。

 

 

牛乳を飲むと血液量が増えます。
ポイントは牛乳に含まれている「タンパク質」を摂ることです。

 
牛乳も、もとは血液から出来ています。
乳腺で血液から血球をこし取って

タンパク質などを濃縮したものです。

 

 

だから、牛乳を摂ることによって血液量と

筋肉の成分であるタンパク質を増やすことが出来るのです。

 

 

ただ、牛乳も飲み方を間違えると

逆効果になるので注意が必要です。

 
飲み始めて効果が出るまでに

最短で1週間、平均すると約1ヶ月かかります。

 

 

脱水症状が起きているときに、

飲んで直ぐに熱中症を食い止める作用が強い…

というわけではありません。

 

 

それどころか、牛乳は飲んでから水分が吸収されるまでに

最短でも20分程の時間を有します。

 
何故なら、牛乳には大量のタンパク質が含まれているので、

胃で消化された後に、十二指腸に送られます。
水分の吸収も腸で行われるので、

運動後に牛乳を飲んでも直ぐには、

水分の補給とはならないのです。

 
あくまでも牛乳は、

熱中症になりにくい体質に改善することが目的…なのです。

 

 

そこで、運動した後には先ず普通に水を飲んで、喉の渇きを癒して、

その後30分以内に牛乳を飲むと良いでしょう。

 

 

でも、水を飲んで、また牛乳なんてお腹タポタポで無理…。
実際は、そんな方が多いと思います。
そういう場合は、「ヨーグルト」での代用もOKです。

 
ヨーグルトは牛乳を発酵させたもので、

消化しやすく良質のタンパク質が摂れます。
ヨーグルト飲料なども市販されていますし、

熱中症の予防に是非。

 
ポイントはタンパク質です。

熱中症と筋肉

このところの連日、連夜の猛暑日に熱帯夜が続いて、

早くもお疲れ気味では?

 
今年は例年以上に熱中症に罹られる方が多くなっています。
場合によっては、重篤な症状や死に至るような

危険なケースも数多く報告されています。

 
このような例は、特にご高齢者の方の割合が高く、

30〜40%を占めるとも言われています。
ご高齢者の方が熱中症に罹りやすいのには、

さまざまな理由や原因が考えられますが、

最近特に着目されているのが、

その方の筋肉量の多少について…です。

 

 

人間の身体の約2/3は水分でできています。
赤ちゃんは約80%で、成人になると約60%ほどに。
年齢とともに少しずつ減少していきます。

 
熱中症というのは、実は脱水症と似たメカニズムがあります。
体内の水分量が減少すると熱中症になりやすいのです。

 
では、体内の水分は何処に蓄えられているのでしょうか?
まずは、血液中に。

 

 

そして、見落とされがちですが、

筋肉の中に多く含まれています。
筋肉の約80%は水分でできているのです。

 
つまり筋肉は、水分を蓄えるタンクの役割も果たしています。
その為に、大量に汗をかいて筋肉中の水分量が減少すると

筋肉が収縮して、つりやすくなります。

 
夏場に足がこむら返りする一因もここにあります。
マラソンランナーが水分補給をする理由も、

筋肉の痙攣を防ぐため…でもあります。

 

 

また、水は身体を冷やす役割もしていますので、

水分の保有量が少ない人は、熱が身体にこもり

熱中症にもなりやすいわけです。

 

 

つまり、筋肉量が多い人は水分の保有量が多く、

筋肉量の少ない人ほど水分の保有量が少なく

その結果、脱水症や熱中症になりやすい…というわけです。

 

 

その為に、ご高齢者や普段身体を鍛えていない方は

熱中症に罹る割合が高いのです。

 

 

では、その対策として考えられるのは…。

 
この死にそうに暑い真夏の日に、

今直ぐ筋肉をガンガンに鍛えていきましょう!
というわけでは、当然ありません。

 
続きます。

夏はやっぱり暑い…です。

今日から8月。
各地で、この夏一番の猛暑日となっています。

 
大阪では、今日8月1日は

毎年恒例の「PL大花火大会」が開催されます。

 
昨日、全国の都道府県で

最後に代表が決まったのも大阪でした。

 
復活を目指したPL学園は惜しくも準々決勝で敗退。
大阪桐蔭もまさかの予選敗退。
桐蔭を破った大阪偕星高校が代表に決まりました。

 
地元、兵庫県代表は滝川第二に。
今年は、「怪物」清宮くん擁する?早稲田実業など

話題に事欠かない大会になりそうです。

 

 

しかし、この炎天下の中でのプレーは大変です。
グランドに立っている選手たちはもちろん、

スタンドで応援している家族や高校野球ファンも
相当な覚悟が必要です。

 

 

今年の夏は、エルニーニョの影響で冷夏になる?

なんて予報もありましたが、完全に大外れ…です。
今のところ、例年以上に気温の高さだけで無く、

湿気がやたら多いように感じます。

 
今年も、夏はやっぱり暑い…です。

 
このところ、治療所に居ても

午前中、救急車のサイレンをよく耳にします。
熱中症で運ばれる患者さんが多いのかもしれません。

 
年配の患者さんの中には、

ご自分が「熱中症」に罹っていることに気付いていない…

なんて方も見受けられます。

 
これからが夏本番。

 
次回からは、熱中症を始め、

夏バテや体調不良に為らないように、

この夏を乗り切る為の対処法について

書いていきたいと思います。