太ももの静脈マッサージ

太ももの内側には、膝下から続き、鼠径部(そけいぶ)、

内臓へと入る大伏在静脈が通っています。

 
大伏在静脈は、鼠径部で脚の深部を通る

大腿静脈と合流して、腹部に入ります。

 
この大腿静脈は、腸や子宮の血管ともつながっています。
その為、きつい下着やコルセットなどで太ももを締め付けたり、

座り仕事などで鼠径部が圧迫されてうっ血したり、

薄着で冷やされたりして血流が滞ると、

そのまま婦人科系や内臓系の不調に

つながる可能性もあります。

 
太ももの内側の静脈をしっかり流して不調を予防しましょう。

 
大伏在静脈はふくらはぎの場合と同じように、

太ももの外側に向かって、

本流から何本もの支流が流れています。

 
本流から遠い太ももの外側は血流が滞りやすく、

冷えやすくなっています。
支流の流れに沿って血流を集めて、

本流に流しこんで血行を促進しましょう。

 
⑴太ももの外側をつかみ、指5本の腹を使って

外側から前側を通って内側へ、

斜め上方に向かってマッサージする。
膝の上あたりから始めて左右5回ずつ行う。

 
⑵膝の内側、骨のでっぱりの上あたりに

両手の親指を当て、両手で太ももをつかみこみます。
親指は立てずに寝かせ、広い面積を使って

太ももの付け根にある鼠径部に向かって

真っ直ぐに押し上げて流します。

ふくらはぎの静脈マッサージ

立ち仕事や座り仕事など、同じ姿勢を長時間強いられ、

むくみやすいのがふくらはぎです。

 
脚の血流は重力によって下に落ちやすくなります。
その重力に逆らって血流を戻すためには、

筋肉のポンプ機能が必要ですが、

筋力が低下しているとそれも難しくなります。

 
そこで、ふくらはぎを通る静脈を押し上げて

強制的に血流を戻しましょう…というわけです。

 

 

ふくらはぎには、裏側を通る「小伏在静脈」と、

脚の内側でふくらはぎ〜膝〜太ももへと続く

「大伏在静脈」とがあります。

 
ふくらはぎの裏側(小伏在静脈)は、

足首を両手で軽くつかみ、

ふくらはぎの中心に両手の指4本を揃えて当て、

小伏在静脈と深部を通る静脈とが合流するポイントの

膝裏まで真っ直ぐに引き上げます。

この動作を左右5回ずつ行うと良いでしょう。

内側を通る大伏在静脈には、

外側に本流から枝分かれした支流が、

斜めに何本も走っています。

 
本流から遠く斜めに走る支流の流れに沿って

らせん状に血流を流し、本流へと運びこみましょう。
くるぶしの上あたりを軽くつかみ、

指5本の腹を使ってふくらはぎを外側から

すねを通って内側へ、斜め上方向にマッサージします。
膝の内側にあるゴールに向かって

左右5回ずつ行うと良いでしょう。

首の静脈マッサージ

腕や脚の静脈マッサージを紹介する前に

先ず基本的なやり方を説明してみます。

 

 

⑴「静脈は青いホース」とイメージして、

その中の水をグッと押し流す要領でマッサージする。
使うのは指の腹の部分。
広い面でとらえれば、

ポイントを外すことなく効率良く出来ます。

 
⑵静脈は毛細血管から細い静脈になり、

それが集まって太い静脈となります。
細い静脈と太い静脈の位置を意識して、

支流から本流へと流れに沿って

マッサージすると効果が出やすくなります。

 

 

先ずは、全身のむくみをとる

首の静脈マッサージから紹介していきます。

 
首には太い内頸静脈が通り、そのすぐ脇に

自律神経系の迷走神経が走っています。
その部分を心地よく刺激すると、

副交感神経の働きが高まり、

全身の血管が拡張しやすくなります。

 
血管がリラックスすると

静脈マッサージの効果もよりアップします。

 
静脈ボディーマッサージの場合、

ウォーミングアップとして先ず首を流し、

仕上げにもう一度、首に流すとより効果がアップします。

 

 

やり方としては、
⑴首の付け根の脈を打っている部分の1cm外側に、

反対側の手の指を4本揃えて当てる。


⑵そのまま軽く圧力をかけて、

鎖骨に向かってゆっくりと撫で下ろす。

 
反対側の首も同様に行い、左右交互に5回繰り返す。

静脈マッサージ

冬の身体の不調、

「冷え」や「むくみ」、「肌の乾燥」は、
静脈の血行の悪さが影響する…

と言われています。

 
身体中の細胞に酸素と栄養を含んだ

血液を届けるのが「動脈」の役割。

 
静脈は、細胞から出た余分な水や

老廃物(尿素や乳酸など)を回収し、

肝臓・腎臓に届け、

解毒・排泄させる働きがあります。

 
その為、静脈の流れが滞ると

余分な水分が細胞間にたまって、むくみとなり、

老廃物が細胞にとどまって、

疲れが取れにくくなったりします。

 
ただ、心臓がポンプ役となって送り出される動脈と違い、

静脈は自ら流れる力を持っていません。

 
「筋肉の動き」がポンプ役になって

静脈を流しているのですが、

筋肉量の少ない女性や、

運動不足や加齢などで筋肉が衰えたり…

でポンプの機能が低下してしまいます。

 
その為に、マッサージや運動などを行い、

意識的に静脈を流す必要があります。

 
また、心臓から遠くなるほど血管は細くなり、

血流は滞りやすくなります。
指先や足先が冷えやすいのは、その為でもあります。

 
冷えやむくみを感じたら、

てっとり早く手足のマッサージを。

 
というわけで、次回からは

特に血流が滞りやすい腕と脚の

静脈マッサージのやり方を紹介してみたいと思います。

実践 唾液腺マッサージ

唾液腺は唾液の「スイッチ」。
押すだけで反応して唾液が出てきます。

 
3つの唾液腺マッサージを全て行ったとしても、

時間にしてものの数分です。
是非、食前に実践してみて下さい。

 
⑴パロチンを多く含む
「耳下腺マッサージ」

 
図のように両手の指を広げ、

人差し指と中指の間に耳をはさみ、

その状態で手のひらをアゴにあてます。
少し顔に圧をかけて軽く筋肉が動くように回す。
前回し10回、後ろ回し10回行う。

 

 

 

⑵粘膜を保護するネバネバ唾液が出る。
「舌下腺マッサージ」

 
親指の腹を使って、アゴの骨の下を押し上げる。
痛くならない程度の力加減で行う。
真上に10回する。
※下の歯茎の裏を舌でなでても刺激できる。

⑶唾液が出る量がNo.1
「顎下線マッサージ」

 
アゴの骨に沿ってのくぼみ、

アゴの骨から首に向かう途中の軟らかい部分の

左右を親指の腹で、優しくプッシュする。
他の唾液腺よりも念入りに、左右30回行う。


※顎下線は頬を動かしても刺激できる。

(押すのと同じ効果が得られる。)
・口に空気を入れて頬を膨らませる。
・その状態から頬をすぼめる。

 

 

その他にも、舌を動かして唾液を増やす方法もあります。
・正面を向き、舌を付け根から思いっきり上下左右に突き出す。

いずれの方向にもそれぞれ10秒間キープする。

以上、先ずは実践を…。

唾液腺マッサージ

唾液腺は「噛む」ことで刺激されるのですが、

私たち現代人は固いものをしっかり

よく噛む回数が減ってきています。

 
そこで唾液腺をマッサージして刺激し、

唾液を出しましょう…というわけです。

 
唾液腺は、唾液のいわば「スイッチ」。
軽く押すだけで反応して唾液が出てきます。

 
唾液腺によって出る唾液の種類や比率が異なりますが、

先ずは唾液量全体を増やすことが大切です。
食前に行うと、食事が美味しく感じられて

より噛む回数が増えます。

 

 

唾液腺は、顎のまわりに3つあります。

 
⑴耳下腺(じかせん)
舌でほっぺたの内側を舐めたときに、

奥から2〜3番目の歯の横に少し突起したものを

舌の先に感じることができると思います。

これが耳下腺です。

 
ここから出る唾液の大部分はサラサラで、

美肌成分のパロチンも含まれています。
唾液量全体の25%が出ます。

 
⑵顎下腺(がくかせん)
唾液の約70%が出ます。
舌の奥にある唾液腺で、唾液を最も多く分泌します。

 
顎の先とエラの部分のちょうど真ん中あたりから

首に向かったところの軟らかい場所にあります。
大部分がサラサラですが、

ネバネバ唾液も多少分泌されます。

 
⑶舌下腺(ぜっかせん)
量は少ない。
舌の裏側の付け根にあり、ネバネバした唾液を出します。
ネバネバ唾液にはムチンが含まれていて、

細菌をからめ取ったり粘膜を保湿する効果があります。

 
以上が唾液腺の種類です。

 
具体的なマッサージの方法は、次回に…。

唾液(だえき)も大事です。

人と話しをする機会が少ない、

パンやクッキーが飲み込みにくい、

唇が渇いて出血する、

ほっぺたをよく噛む、

食事の際に水を飲む習慣がある…。

 
そんな方は唾液不足の可能性があります。

 
唾液が不足すると口臭や歯周病の

原因となる細菌が繁殖してしまいます。

 
また口の中の問題だけに限らず、

その後の消化吸収にも影響を及ぼします。

 
いわば、唾液は口の中のお掃除液。

 
歯垢を洗い流し歯周病を予防する洗浄作用、

病原菌、微生物を退治する抗菌作用、

唾液に含まれるカルシウムやリン酸による

歯の再石灰化作用などの自浄作用があります。

 

 

そんな唾液も加齢とともに減少してくるのですが、

それ以外でも柔らかいものばかりであまり噛まない、

或いは日常的にストレスがある場合でも唾液不足になります。

 
唾液の分泌は自律神経に支配されていて、

緊張や疲労状態で交感神経が優位になると

全体の唾液の量が減少し、ネバネバした唾液が増えます。

 
口の中がネバネバしたり、カラカラになったりして

食べ物が飲み込みにくく、

美味しくなくなってしまいます。

 
その為に、更にストレスがかかり

唾液が出にくくなる、という悪循環にも…。

 

 

そこで次回から、唾液が出やすくなる

簡単な「唾液腺マッサージ」のことを

書いていきたいと思います。

食物繊維とオイル

食物繊維はヒトの消化酵素では消化されない為、

そのまま大腸まで届き、便のもととなって

腸のお掃除をしてくれます。

 

 

食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があります。

 
不溶性食物繊維はキノコ類に多く、

大腸で便のカサを増やし、

腸壁を刺激して腸の蠕動運動を活発にします。

 
水溶性食物繊維は野菜や果物に豊富に含まれ、

腸内で善玉菌のエサとなり腸内環境を整えるほか、

余分な糖や脂肪の吸収を抑える働きがあります。

 

 

日本人の食物繊維摂取量は年々低下しています。

 
キノコ類の他に、納豆、

干ししいたけや切り干し大根などの乾物や

ドライフルーツ、ゴボウなど。

 
普段の食事に1日約5〜6gプラスすると

便通が良くなるとされています。
心がけて摂るようにしましょう。

 

 

あと見落とされがちなのが「オイル」です。

 
オリーブオイルは地中海地域では

古くから便秘対策として重宝されています。

 
オリーブオイルに豊富なオレイン酸は

小腸で吸収されにくく、大腸で便を軟かくして

排便をスムーズにしてくれます。

 
また、亜麻仁オイルやエゴマオイルも

αリノレン酸を多く含み、

毎日大さじ1杯摂ると便通が改善した…

という報告もあります。

 
参考までに…。

腸の大掃除

腸の汚れの主たる原因は、便秘です。

 
便が停滞して腸を掃除できていないと、

腸に弱い炎症が起こります。

 
お通じが良くない、お腹が張りやすい…。
そんな人は腸の大掃除が必要です。

 
と言うわけで、そんな方は「乳酸菌」、「食物繊維」、

そして少量の「オイル」を摂りましょう…というお話しです。

 

 

先ずは、ヒトの腸内に住み着いて

腸内環境を整えてくれる乳酸菌からです。

 
乳酸菌が腸内に多く存在していると、

悪玉菌の増殖を抑えて、善玉菌を増やしてくれます。

 

 

乳酸菌が多く含まれる食品としては、

ヨーグルトなどの乳製品がよく知られていますが、

実は味噌や漬物などにも含まれているのです。

 
多くの味噌は麹菌の仕込み後に

乳酸発酵が行われています。
その為に麹菌との相乗効果も加わり、

より腸内環境を整えてくれます。

 
また、味噌を摂取すると腸内細菌叢で乳酸菌が増加した…

という動物実験での研究報告もあります。

 

 

ヨーグルトなどの乳製品だけで無く、

味噌、ぬか漬け、キムチ、タクアンなどの漬物等、

いろいろな食品から複数の菌を摂取することで、

マンネリ化した腸内細菌を刺激することによって、

腸の働きを活発にし、腸内環境を整えていきましょう。

 

 

次回は、食物繊維とオイルのお話しです。

出す、補う、流す。

冬場の気温や湿度の低下によって起こる

「血管の収縮」や、「交感神経の緊張」に伴う諸症状には、

「出す、補う、流す」ことが有効な手段です。

 

 

どういうことかと言うと、

前回説明したように、血管が収縮すると

血流が悪くなり手足が冷えやすくなります。

 
その結果、余分な水分や老廃物を

回収する力が低下します。

 
また、交感神経が優位になると

内臓の働きが鈍ってきます。

 
つまり、どちらも老廃物を外に出す力が弱まる…ということです。

 

 

その弱まった力を高めるのが、

出す、補う、流す…です。

 

 

先ず「出す」は、便と唾液。
そして「流す」は、静脈とリンパ。
最後の「補う」は、水分と油分です。

 

 

便は、身体にたまった老廃物を排出する最大の経路です。

 
便秘が良くないのは、便が長く居座ることで

腸の粘膜から老廃物が再吸収されて、

身体に悪影響を及ぼすからです。

 
腸に弱い炎症が起きると、

太りやすい、疲れやすい、肌荒れがする…

といった身体の不調が生じます。

 
腸の働きを高める必要があります。

 
また、唾液も重要です。
足りないと口の中の細菌が繁殖して

口臭や歯周病の原因となります。

 
それだけでは無く、唾液には消化を助けて

胃腸の負担を軽減させる作用もあるのです。

 
唾液もしっかり出すことが大切です。

 

 

次回からその具体的な方法を書いていきます。