日別アーカイブ: 2015年5月19日

腸内フローラ

「腸内フローラ」という言葉をご存知でしょうか?

 
イギリスの科学誌「Nature」で特集の増刊号が出版され、

そして2月22日には、NHKスペシャルでも特集され、

話題となりました。

 

 

最近では、健康雑誌で取り上げられたり、

関連商品(?)が発売さるたりと、

ちょっとしたブームの様相を呈しています。

 

 

では、そんな腸内フローラとはいったいどんなものなのでしょうか?

 

 

私たちの腸内には、たくさんの「細菌」が棲みついています。
その数は100種類以上、

個数にして約100兆個にもなると言われています。

 
人体の総細胞数が約60兆個であることと比べても、

その倍近い数が腸の中に生息していることになります。

 
総重量にして約1〜1.5kgで、

これは最大の臓器である肝臓とほぼ同じ重さです。

 

 

この腸内細菌が、

特に小腸の下部(回腸や空腸)から大腸にかけて、

多種多様な菌群が種類ごとにまとまりとなって、

ビッシリと腸内に壁面を作って生息しているのです。

 
その様相が、まるで植物が種類ごとに

集団を作って群生している、いわゆる「お花畑」に例えられ、

「腸内フローラ」と呼ばれているのです。
(※腸内細菌叢とも呼ばれる)
※「叢(そう)」=草むら

 

 

もともとフローラ(Flora)は、

分類学上の用語で、「植物群集」を指します。
かつては、細菌が植物の中に分類されていたために

そう呼ばれています。

 
また、ギリシャ神話の「花の女神」の意味もあります。

 

 

腸内フローラの様相、

つまり腸内に生息している細菌群の種類は、

人間がそれぞれ顔や個性が違うように、

1人1人まったく異なる「お花畑」となっています。

 

 

また腸内フローラの状態は、

生活習慣や年齢、ストレスなどによって変化します。

 

 

腸内細菌それぞれが、

互いに必要な物質を供給し合い、共生している様は、

まるで完成されたエコシステム、

あるいは1つの「小宇宙」とも言える空間を作り出している…。

 

 

それが「腸内フローラ」なのだそうです。