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ひな人形の左右は?

今日、3月3日は「桃の節句」、ひな祭りです。

 
ひな人形を飾るときに男雛(お内裏様)と女雛(お雛様)を

左右、どちらに置くか迷ったことはありませんか?

 
現在一般的に広く売られているひな人形は関東雛と言って、

向かって左側にお内裏様が座っています。

 
その逆に向かって右側に

お内裏様が座っているのは京雛と言われます。

 
つまり、関東と京都では並べ方は左右逆になっています。

 

 

古来の日本文化では、男性は向かって右、

女性は向かって左とされてきました。

 
これは「左上座」の考え方で

1番偉いお殿様が向かって右側に座るのが慣わしで、

京都では御所における玉座の位置に基づいています。

 
そして、この左上座はもともと

「陰陽説」の考え方が影響しています。

 
陰陽説は、世の中を構成するすべての物は、

陰と陽の2つの気の作用や性質が

発現したものだと考えます。

 

例えば、
太陽は陽で、月は陰。
季節で言えば、春と夏は陽で、秋と冬は陰。
東と南は陽で、西と北は陰。
上下では、上は陽で、下は陰。
左右では、左は陽で、右は陰。
男女では、男は陽で、女は陰。
といった具合です。

 

 

陰と陽は、それぞれ物質を構成する要素で、

どちらが欠けてもバランスがとれない「等価」のもので、

本来は善悪や優劣などの価値判断とは

関係の無いものです。

 

 

この陰陽説に基づいて、

左上座(向かって右側)の陽の位置に

男性であるお内裏様を、

陰の位置の右(向かって左側)に

女性であるお雛様を配するわけです。

 

 

では、何故現在では関東風の

向かって左側が一般的になったのでしょうか?

 
一説によると、明治の時代になって

西洋の流れを受けて国際儀礼である

「右が上位」の考え方が取り入れられて、

大正天皇の即位の礼で、

洋装の天皇陛下が西洋のスタイルに倣って

皇后陛下の右側に立たれたことから

この風習が広まったとされています。

 
明治時代、皇居は江戸城に移っておりましたから

関東を中心にそのスタイルが主流になったようです。

 

 

今では、結婚式でも男性が向かって左側、

女性が向かって右側に立つのが一般的です。
しかし、神式で和装の挙式ではその逆の並びになっています。