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「潔い」のことを書いていて、
ふっと思い出すことがありました。
以前(といっても、20年ほど前に為りますが…。)、
私の師匠との会話のことです。
院長先生の治療所に見学に伺いその後、
他のスタッフ数名とお酒を飲みながら、話が盛り上がり、
どういった経緯かは忘れましたが、
「本当の男らしさとは」とか、「真のリーダーとしての資質とは」
なんていう難しい話に向かって行きました。
院長先生が、
「君らは、男らしさを一言で言い表したら、どう表現する?」
「一人ずつ、述べなさい。」
そこで、皆んなはそれぞれ答えていきます。
「男らしさは、力強いことです。」
「包容力です。」
「さっぱりと竹を割った様な性格です。」
「経済力です?」
いろいろと出ました。
因みに、院長先生はボディービルダーであり、
少林寺拳法の達人でもあり、
武闘派としての一面も持ち合わせておられたので、
ある程度その辺も念頭に置いて
皆んな答えている感じでした。
「じゃあ、吉田君はどう思う?」
既にひと通り解答が出ていたので、少し考えた末に、
ちょっと違う方向で攻めてみようと思い、
「自分に正直な人だと思います。」と答えました。
するとその瞬間、その場で空気が盛り下がるのを感じました。
(な〜に〜。やっちまったな〜。)
byクールポコ
恐る恐る院長の顔を見ると、反応は意外なものでした。
「なかなか、良い処を突いてるじゃないか。」
「えっ、そうなんですか。」
「皆んなも憶えておいたほうが良い。
男らしさとは、何も喧嘩が強いとか、
行動力があるとかじゃあ無くて一言で表すと、
潔さ…。
と言って良いと思うよ。」
「潔さ…。ですか?」
「そうだよ。「いさぎよし」とは、「いさ」が、
「勇む」や「いと」を表して、
「きよし」はそのまま「清し」だ。
つまり、
「勇んで清し」、「いかにも清い」という意味だ。」
「卑怯なところが無い。責任転化をしない。
常に正々堂々としている様を表しているんだ。」
「なるほど。男らしさは、潔さか。」
「そういった側面から考えると
真のリーダーとしての資質も自ずと分かってくるだろう。」
「それは、常に「出処進退を明らかにする」ということだよ。
身の処し方や、責任の所在を常に明確にしておくこと。
それが出来る人こそが、真のリーダーに相応しい人だと思うよ。」
「確かに、そうですね。」
「それは良いとして、吉田君。
では、潔くある為には何が必要だと思う?」
「ええ〜。それは…。」
続きます。
以前、このブログで人生の悩み事って、突き詰めると
「健康」
「経済状態(お金)」
「人間関係」
「自己実現」の
4つに集約されると思います…
みたいなことを書きました。
元気に御活躍されている御高齢の方々って、
そんな悩み事なんて全く無関係な事柄なんでしょうか?
いや、そうではありません。
苦労話を進んで語られることは、
あまり有りませんが、色々お話を伺っていると、
皆さん大変な人生を送ってこられた方ばかりなんだ…
と気付かされます。
戦争体験もそうです。
事業に失敗して、また立て直したり、
信頼していた人に裏切られたり。
早くに子供さんを無くされたり、
長年にわたって実家と嫁ぎ先の
両方のご両親に仕えてこられたり。
お元気で…と書いていますが、
何処も悪いところが無いわけでは、ありません。
内科も、整形も、眼科も、耳鼻科も、歯医者さんも
全部の診察券をお持ちです。
大病を患って入院されたり、手術されたり。
でも、お元気で御活躍されている方々は、
決まってこう言われます。
「大病をした「おかげ」で、身体に気を付けるようになった。」
「何処も悪いところは無いです。一箇所を除いては。」
その一箇所が、胃癌だったり脳梗塞だったりするのですが…。
そんな色々な体験を通り越してこられた上での、
いや乗り越えてこられたからこそ…。
出来事を他人や、周りや環境のせいにしない。
自分自身が創り、生きて来た人生に責任を持つ。
そんな境地に達することが、可能になったのでしょう。
(偉そうに言って済みません。)
清々しく、潔く。
ある種、「悟り」のような感覚かもしれませんね。