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良いウンチの条件

自分の腸内環境を知る上でも、

便の状態を観察することは大切です。
便が、次の6つの条件を満たしていれば、

腸内環境は良好である…と言えます。

 

 

⑴1日1〜3回の排便があること。
毎日きちんと食事を摂っていれば、

1回以上あるのが当たり前のこと。

 
便秘ぎみでは、良好な腸内環境とは言えません。

 
⑵いきまずに気持ちよくストンと出ること。
80%の水分を含む便なら、

気張らなくてもスルッと出るはずです。

 

 

出にくい場合は、便秘ぎみで

便中の水分が少く硬くなっているからです。

 
⑶トイレにポトンと落ちた時に水中で

パッとほぐれて浮かぶぐらいがちょうど良い硬さ。

 
塊にならずに初めからほぐれて出てくる時は、

水分が多くて下痢ぎみになっています。

 
水中に沈んで浮かび上がらないのは、

水分が少く便秘ぎみと言えます。

 
⑷適正な排便量は食事の量によって変わりますが、

一日合計で約200〜300g出ればOK。

 
体重差で測って推定する場合は、

一緒に出るオシッコの量(250〜300g)も計算に入れておくこと。

 
⑸色合いは、黄色から黄色がかった褐色が、良好なしるし。

 
黒っぽい色が続く場合は、悪玉菌が多く

腸内で腐敗が進んでいる恐れがあります。

 
野菜の摂取が少く、お肉ばかり食べていると

便は黒っぽくなりますし、大腸ガンなどで出血を伴う場合は

鮮血で変色することもあります。

 
⑹最後に重要なのはニオイ。

 
善玉菌が大部分を占める

赤ちゃんのウンチは臭くないと言われていますが、

大人でも善玉菌が優勢で腸内環境が良好ならば、

嫌なニオイは少なめなはず。

 
便やオナラが異常に臭い時は、

腸のSOSと考えた方が賢明です。

「便」は身体のお便り。

今日は、「便」つまりウンチのお話です。

 
このところずっと、腸の働きについて書いてきました。

 
腸内環境を整えることが健康にとって如何に大切か…ということは、

十分理解していることではあるのですが、

実際問題自分の腸が、今どんな状態になっているのか?

自分自身で、腸の内部を覗いて、

見て確かめることは不可能なことです。

 
そこで、腸の状態を知る上で大切なのは、

毎日トイレで出している「便」を観察すること…です。

 
そう、「便」は腸内環境を知らせる

身体からの「お便り」というわけです。

 
そのお便りは文字で書かれているわけでは無いので、

その状態から察するしかないのですが…。

 

 

健康な便は、80%が水分で残りの20%が固形成分です。
そして、その固形成分のうちの約3分の1は食べカスで、

あとの3分の2が生きた腸内細菌と

腸壁から剥がれ落ちた粘膜などからなります。

 
便の状態…というお話ですから

先ずは、便が出ていることが必須条件になるのですが、

現実は便秘ぎみ…という方が、割合的に非常に多いです。

 
ある調査によると、30代、40代の女性の過半数が

「自分は便秘体質だと思う。」と答えているそうです。

 
具体的には、その排便回数は2~3日に1回の方が約35%、

4〜6日に1回の方が約7%。
中には下剤を使って、土、日曜でまとめて出す…という方も。

 

 

排便は毎日あるのが、とりあえずの基本。

 
便秘体質の解消法については、

また別の機会に書いていこうと思いますが、

今回はひとまず排便があるということを前提に、
腸内環境にとって理想的な「便」の条件について書いていきます。

 

 

続きます。

腸と睡眠の関係

腸がストレスに弱い…と書いてきましたが、

そのストレスによって混乱を起こす張本人が、
自律神経です。

 
自律神経は、脳のほぼ中央にある視床下部に中枢を置き、

交感神経と副交感神経という2系統のラインを

全身に張り巡らせています。

 
腸などの臓器は、筋肉などとは逆で、

交感神経がブレーキ役となって活動を抑え、

副交感神経がアクセル役となって、

その働きを促進させます。

 

 

つまり、ゆったりとリラックスしている時に

内臓の働きが活発になるというわけです。

 

 

交感神経と副交感神経のバランスが取れている時は、

問題は無いのですが、

過度なストレスや緊張を長時間強いられたりすると、

交感神経が優位となり、腸の働きが悪くなります。

 

 

その最たるものが睡眠不足です。
それは腸は、睡眠中によく働くからです。

 

 

不規則な生活が慢性化すると、ストレスが溜まります。
また、食生活の乱れから腸内環境のバランスが崩れてきます。

 

 

生活のリズムを改善為せるためには、

まずは毎朝決った時間に早く起きて、

朝日を浴びて「体内時計」をリセットすることから始めましょう。

 

 

その後、しっかりと朝食を食べることで

腸が刺激されて、排便が促がされやすくなります。

 

 

早朝に体内時計をリセットすると

自動的に14〜16時間後に眠気が高まり、

決った時刻に眠れるようになります。

 

 

良い腸の状態は、良質な睡眠から…。

 

 

日々の早起き早寝で、

生活のリズムを正常化するように心がけましょう。

腸こそ「第一の脳」?

光合成によって太陽光からエネルギーを得る「植物」と違い、

私たち「動物」は他の生物を食べて栄養にする必要があります。

 
そのために真っ先に発達したのが他ならぬ「腸」でした。

 
生き延びるためには、日々「腸」に食べ物を取り入れて、

そこから栄養素を消化吸収し、不要なものは排泄する。

 
この一連の流れをタイミング良くこなす為に、

情報を伝える神経細胞が現れ、

また腸の機能がアップグレードするにつれて、

神経細胞の数が増えてそのネットワークは

徐々に複雑化していきます。

 
そこから長い、長い時間を積み重ねて、

ようやく「脳」と「脊髄」を持つ「脊椎動物」が誕生したのです。

 
つまり、脳は腸から生まれたもの…と言えるのです。

 
進化的に言うと腸こそが「第二の脳」では無くて、

「第一の脳」と呼んでも過言ではないわけです。

 
生き延びる為、つまり捕食する為に、

情報を得る為の目や耳や鼻といった感覚器官が発達し、

食べ物がある場所まで移動する為、素早く行動する為に、

骨格系や筋肉などが発達していきました。

 
すべては「腸」という管(くだ)から始まったわけです。

 
人間をはじめとする哺乳類、

その他にも鳥類、両生類、爬虫類、魚類などの

いわゆる脊椎動物は皆んな同じ進化の過程をたどっています。

 
その為、腸には一億個もの神経細胞が集まり、

脳の指令無しに独立した活動が出来る…というわけです。

 
でも、いくら独立性が高いとはいえ、

腸だって脳の支配は受けています。
それが腸がストレスに弱い理由でもあるわけですが…。

 

 

続きます。

食物繊維

乳酸菌と同じく食物繊維も

腸内環境の改善には欠かせない存在です。

 
食物繊維は、消化管の酵素量を増やして働きを活発にしたり、
大腸で便を軟らかくして「かさ」を増して蠕動運動を促し、
便を速やかに移動する効果があります。

 
即ち、腸内を常にクリーンな状態に保ってくれるのです。

 
食物繊維は穀類や野菜、豆類などに多く含まれています。

 
また、食物繊維には水に溶けずに、

水分を吸収して膨れる性質を持つ不溶性と、

食べた食品の水分を抱き込んでゲル化する

水溶性の2種類があります。

 
特に便秘の予防、改善に働くのが不溶性繊維で、

穀類や豆類、野菜などに多く含まれるのは、

このタイプに当たります。

 

 

具体的には、先ず豆類では

グリーンピース、小豆、アーモンド。

 
アーモンドは、ビタミンEやビタミンB2も豊富です。

 
そして、大豆。
大豆そのままだけで無く、搾りかすの「おから」や、

炒り大豆の皮を挽いた「きな粉」も。

 
同じ大豆製品でも、豆腐や豆乳は

「皮」が無いので、含有量は少なくなります。

 

 

あとは、干し椎茸や干し柿、

切り干し大根などの天日干しした食材。

 
以外なところでは、ポップコーン。

トウモロコシそのものなので、

当然と言えば当然なんですが…。

 
ニンジンやセロリ、ごぼうなどの野菜類は、

調理法などの工夫しだいで、

どれだけ「かさ」を減らして「量」を食べれるか?

が課題になると思います。

善玉菌を活発にする

腸内環境を整える方法の一つは、

腸内にある悪玉菌を増やさず、

善玉菌の働きを活発にしたり、

増やしたりする食材をしっかり摂ること…です。

 
具体的には、「乳酸菌」と「食物繊維」が

多く含まれている食品になります。

 
その中から、先ずは「乳酸菌」。
代表格としては、ヨーグルトをハジメとする乳製品ですよね。

 
ヨーグルトには、乳酸菌だけでなく、

各種ビタミンやカルシウム、タンパク質といった

身体を作るのに必要な栄養素が含まれています。

 
その中で、唯一足りないのがビタミンC。
ビタミンCが豊富な、生の果物類と一緒に摂ると尚、betterです。

 

 

ヨーグルト以外の乳酸菌を含む食材を紹介していきます。

 
すべて発酵食品ですが、

乳酸菌の分野はまだ解明されていないことも多く、

それぞれの食材に含まれる乳酸菌の種類や量は

なかなか判別しづらい場合が多くあります。

 
そこで、ここではお手頃で使い易いものを選んでみました。

 

 

先ずは、キムチ。
乳酸菌は野菜の表面に多く付着しているので、

そのまま食べるのがベストです。

 

 

そして、納豆。
納豆菌は、市販の整腸剤に含まれているものもあります。

 

 

あとは、ぬか漬け。
浅漬けではダメです。

 

 

チーズ、味噌、醤油、酒粕、甘酒などなど…。

 

 

毎日の食生活に上手に取り入れることをオススメします。

 

 

次回は、食物繊維です。

脂肪と糖の誘惑

アレルギー体質や、陰性体質の方の

体質改善の為に3つの「ひ」…ということで、書いてきましたが、

今日は逆に、摂り過ぎると良くない食品についてのお話です。

 
陰性体質の方が、摂り過ぎると良くないもの…

それは、甘いもの、冷たいもの、身体を冷やすもの、

刺激物、アルコール類、
インスタントや加工食品、添加物などの化学物質、

そして酸化した油など…です。

 

 

冷たいものを食べると、

身体を冷やすのは当然ですが、

それ以外の「身体を冷やすもの」とは

具体的にどんなものでしょうか?

 
それは、ジュース、ケーキなどのスイーツ類やフルーツなどです。

 
フルーツでは特にキウイ、マンゴー、バナナ、パイナップルなど、

南の地方で採れたものが、それに当たります。

 
また、トマトやキュウリ、ナスなどの、

いわゆる夏野菜も身体を冷やす食材になります。

 

 

それは、基本的に気温の高い南の地方や、

夏の時期に採れるものは、

それを食べた人の体温を下げる働きがあるからです。

 

 

その為に、どの食材も甘くて水分がたっぷり含まれています。

 

 

そう、甘いものも身体を冷やします。

特に、白砂糖は陰性食材の代表とも言えます。

 

 

そして、アルコール類もそうです。
アルコール類は、日本酒やワインなど、

ほとんどが発酵、醸造食品だし、

飲めばほんのりと身体が温かくなるのに、

どうして良くないの?という疑問が湧いて来ると思います。

 
これは、「摂り過ぎると良くない」もので、

「摂ってはダメ」ということではありません。

 
アルコールの摂り過ぎると、

身体を温めますが、急激に体温を放出し、

却って身体を冷やしてしまいます。
アルコール度数が高いほど、

その傾向が強くなります。

 
東洋医学で言うところの

「陽極まれば陰となす。」に当たります。

 
同じような理由で、動物性の油脂もそうです。

 

 

いずれの食品も「摂り過ぎ」には、注意したいものです。

 

 

しかし、「特保のお茶」のCMにもある様に、

「美味しいものは、脂肪と糖で出来ている。」のです。
(タンパク質もそうですが…。)

 
身体に良くないと知りつつも、

いや、分かっているから尚更、

誘惑に負けて食べ過ぎ、飲み過ぎてしまうのが、

「人情」というものです。

 

 

先ずは、何を食べるか?食べないか?の前に、

如何に自分自身をコントロールするか…が試されています。

日(ひ)をかさねる

ダイエットと並んで、女性の方々が最も興味があるのが、

アンチエイジングではないでしょうか?

 
服装や髪形、お化粧の仕方など、見た目もさることながら、

出来れば細胞の一つ一つまで、

年齢を感じさせたく無い、若返りたいと切望されているのでは?

 
そんな方にピッタリなのが、「エイジング」食品です。

 
東洋医学で言うところの「陰陽」のカテゴリーで、

「時間」は「陽」となります。
そして「陽」のエネルギーは、活動的で求心的です。

 
つまりは、エイジング食品を摂ることで、細胞を活性化し、

お肌を引き締める効果が期待出来る…というわけです。

 

 

ては、エイジング食品とは

具体的にどの様なものを指すのでしょうか。

 

 

それは、時間や日数をかけて、熟成された食品、

つまり「発酵」「醸造」食品のことです。

 

 

発酵食品で、先ず思い浮かぶのが、

ヨーグルトやチーズなどのいわゆる乳酸菌食品です。
クリームチーズ、発酵バター、

サワークリームなんかもそうですよね。

 
乳製品以外にも、まだまだ沢山の発酵食品があります。

 
調味料でいうと、醤油、味噌、豆板醤、

コチュジャン、テンジャン、チョングッチャン…
※韓国味噌、いろいろ種類がありますね。

韓国の女性の肌がきれいなのに関係があるのかも?

 

 

あと、醸造酢、ヴィネガー、バルサミコ酢、

塩こうじ、ナンプラーなど。

 

 

漬物で、タクアン、キムチ、ぬか漬け、ピクルスなど。
※漬物でも、浅漬けや千枚漬けなんかは、

発酵食品ではありません。

 
サワークラフト、メンマ、それに納豆も発酵食品です。

 

 

動物系だと、かつお節、アンチョビ、イカの塩辛、鮒寿司、
あと、サラミ、ペパロニなんかもそうです。

 

 

パンも発酵食品ですし、

日本酒、焼酎、ビール、ワイン、泡盛、マッコリなどの

アルコール類も発酵、醸造食品と言えます。

 

 

まあ、アルコール類は量が過ぎると、

却ってカラダを冷やして陰性に傾いてしまうので、

注意が必要ですが…。

 

 

続きます。

体質改善は、腸の改善から

東洋医学では、

父母から受け継いだ体質を「先天の精」と呼び、

「腎」に宿るとされています。

 
そして、長じてからの体質を左右するのが

「後天の精」と呼ばれるもので、

飲食物が「脾胃」の働きで化成したものを指します。

 
つまり、持って生まれた体質は
「何を食べるか」によって変化する…と言えます。

 
そして、その飲食物を消化吸収する「腸」の働きが、

健全かどうかが、大きなポイントとなります。

 

 

「腸は第二の脳」と呼ばれるくらいに多様な働きを持ちます。

 

 

免疫は、「病気から身を守る生体防御の仕組み」と

定義されていますが、その仕組みの一端を担う

白血球(免疫細胞)の約70%が

小腸の内壁に集結していると言われています。

 

 

また、病気の原因の多くが、

「ストレス」に起因している…とされていますが、

このストレスの解消に有効と言われているのが、

「セロトニン」という脳内の神経伝達物質です。

 
このセロトニンの95%が、実は
腸のぜん動運動とともに分泌されています。

 

 

つまり、腸の働きは単に消化吸収し、

便を排出する…というだけで無く、

腸管は人体最大の免疫機関であると同時に

多数の免疫細胞が働く生体防御の最前線とも言えるのです。

 

 

その為、花粉症やアトピーなどのアレルギー症状や、

ストレスが原因の様々な症状、

うつ病などのいわゆる「心の病」など…が

腸内環境を整えることによって

改善される可能性が期待出来ます。

 

 

では、その腸内環境を整えてくれる食べ物とは、何でしょうか?

 

 

代表的なものが、「食物繊維」と

乳酸菌を主体とする「発酵食品」、

「熟成食品」など…になります。

 

 

続きます。

陽(ひ)にあてる

健康な生活を送るために、

直接太陽の光を浴びることも必要ですが、

たっぷりとお陽さまにあたった食材を選んで、

食卓に上げることも大切なことです。

 

 

体質改善に3つの「ひ」。
2つ目の「ひ」は、「陽(ひ)」。

 
つまり、太陽の光にあたった食材を食べましょう…

ということになんですが、

何も真っ赤に色づいたトマトや、
「太陽の果実」マンゴーやキウイを食べると良いですよ…

というわけでは、ありません。

 

 

この場合の「陽」は、天日干しした食材、

いわゆる「乾物」全般のことを指します。

 

 

保存食として重宝される「乾物」ですが、

その保存性もさることながら、

栄養価に於いても「生食」よりも高いものがあります。

 
天日干しすることによる殺菌、消毒効果が期待出来ますし、

何よりも香りや旨みといった「風味」が増します。

 
余分な水分がとんで、

ビタミン、カルシウム、鉄分といったミネラルや

食物繊維などの栄養素が、ギュッと濃縮されます。

 

 

例えば「干し椎茸」は、日光にあたることによって、

ビタミンDが生の椎茸の約10倍になりますし、

食物繊維が豊富な大根は、

「切り干し大根」にすることにより、容量(かさ)が格段に減り、

多くの量が食べられることが出来て、

便秘などにより効果があります。

 
また、凍り豆腐や凍み豆腐とも言われる「高野豆腐」、

「干し柿、干しぶどう」、「ドライフルーツ」などもそうです。

 

 

野菜、豆類、果実以外でも、

「昆布」、「ヒジキ」、「海苔」、

「煮干し」、「スルメ」などが挙げられます。

 

 

しかし、いずれの食品(乾物)も、温風や熱処理で、

ただ水分をとばして乾燥させるだけ…

では意味がありません。

 

 

体質改善の為には、

食材を陽(ひ)にあてる=「天日干し」することによって、

お陽さまの恩恵を身体に取り入れること…が

最も重要なポイントとなります。

 

 

次回は3つ目の「ひ」、「日」をかさねる…です。