奇跡のリンゴ

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記念すべき初めての投稿(実質の)は、

 

我々、鍼灸師の練習方法について です。
鍼灸師に成るために学校に入った当初は、当り前の事ですが
いきなり人に鍼を打つことは出来ません。

 

先ずは、鍼まくらと言ってウレタンや、

綿花でできた手のひら大のまくらに打つ練習をするのですが、

これも最初は中々、上手く行きません。
何せ、太さ約0.02ミリの髪の毛ほどの物を扱う訳ですから、

先ず入りませんし、入っても差し込めません。
すぐにくにゃっと曲がってしまいます。

 

それを何とか練習して、打てる様に成ると今度は、

固物通し(かたものどおし)です。
文字通り、かまぼこ板の様な硬い木の板に通す練習です。

 

これは、比較的出来易いのですが、その上の難物なのが浮き物通しです。
水に浮かべた物に鍼をさす。と言う物です。

 

私の場合は、水を張った洗面器にリンゴを浮かべて練習しました。
リンゴを手で抑えてれば、簡単なのですが何せ、プカプカと動くので、

上手く力が伝わりません。
それでも、毎日一ヶ月、二ヶ月と練習を繰り返すと

不規則なリンゴの動きに合わせてスっと差し込む事が出来る様に成ります。

 

鍼を打つことに必死で、気付かなかったのですが、

よく考えて見るとずっと同じリンゴを使って練習していたのでした。
二ヶ月も経っているのに、全く腐ってもいませんし、しぼんでもいません。

 

鍼って凄いなぁ。
生命力を与える事が出来るんやなぁ。
と、感じました。

 

その事を私の師匠に話しをすると、師匠は

「確かに鍼を打つことによって、生命力を引き出すと言う側面もあるかもしれない。

でも、腐らなかった一番の理由は、君の真剣な気持ちだと思う。

技術では無く、最終的に伝わるのは心しか無いんだから。」と、言われのです。

 

その時は、あまり良く解らずに、「そうだよ。鍼って凄いんだよ。」

ぐらい言ってくれても良いのに。
そんな風に感じていました。
でも、今ならその意味は良く解ります。

 

そんな奇跡のリンゴの話でしたが、

なんと鍼の練習法には更にその上の究極の?物が有ります。

 

さて、その練習法とは?

次回のブログで。

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