日別アーカイブ: 2015年2月23日

思い煩ひ(脾)

・「思は脾を傷る」
「思」が過ぎると、「気」は停滞し、

「脾(ひ)」を傷つけます。

 
思とは、思慮、思考のことです。
思慮、思考することは人間として

正常な精神活動なのですが、
「考え過ぎる」と病気の原因となります。

 
「脾」には、「運化作用」といって食べた物を

消化吸収し、そして運搬する働きがあります。

 
そして、もう一つ「統血作用」という

血液が血管から漏れないようにする働きもあります。

 
漢方的な「脾」は、

いわゆる西洋医学で言われるところの「脾臓」とは違います。

 

 

 

あれやこれやと思いを巡らせ、
いつ迄もクヨクヨ考え過ぎると

気が滞り、脾に影響を与えます。

 
脾の運化作用が弱まり、

食欲不振やお腹が張るといった症状があらわれます。
ひどくなると、胃下垂や子宮脱、脱肛になったりします。

 
また、女性の場合は「思い煩ひ」から脾の統血作用が低下し、

不正性器出血を起こすことがあります。

 

 

「思」が過ぎると

 
・「気」が結ぶ(うっ滞する)
気がかたまる(気がふさぐ)とも言う。
(エネルギー的に動きの無い、滞った(塊りがある)感じになる。)
※割り切る、思い切る、開き直る…などの言葉通り、

エネルギーを切って開いて動かす。

 
・「脾(ひ)」を傷つける
脾の持つ「運化作用」、「統血作用」が弱まり、

消化吸収を損なう。

 

 

<症状>
・腹痛
・食欲不振
・膨満感
・軟便
・胃下垂
・不正性器出血など
となります。

 

 

次回は、「悲」・「憂」について…です。