日別アーカイブ: 2015年1月8日

七草粥(ななくさがゆ)

お正月の間、

久しぶりに家族が集まってご馳走を戴いたり、

来客があって外食や飲酒を繰り返したりと、

何かと胃腸に負担を掛けがちになっています。

 
そんな疲れもあってか、

便秘がちになったり、風邪を引いたり、

はたまた「ぎっくり腰」や「こむら返り」などの症状で

来院される患者さんが、多く見受けられます。

 

 
昨日の1月7日は、

七草の節句(五節句の一つ)で、

七草粥を食べる日とされています。

 

 

古来中国では、

七日正月といって七日間を一つの節目としていました。

 
元旦は鶏の日、2日が狗(犬)の日、3日が猪の日、

4日が羊の日、5日が牛の日、6日が馬の日、

そして7日が、人の日として易を立て、

8日に穀を占って新年の運勢を見立てていました。

 
そして唐の時代になると、

 

7日目の人の日「人日(じんじつ)」に

七種類の若菜を入れた七種菜羹(ななしゅさいのかん)という

汁物を食べて、無病息災を祈る習慣が広まりました。

 
この中国の風習が日本に伝わり、江戸時代になって

1月7日に七草粥を食べる習慣が一般化した、

と言われています。

 
1月7日は、松の内最後の日。
お正月のご馳走やお酒で疲れの出ている胃腸の為に、

消化の良いお粥を食べて、胃腸を休めると同時に、

冬場に不足しがちな青菜を採って栄養補給する、

という意味合いもあります。

 

 
○春の七草

 
・セリ…鉄分が多い。食欲を増進させる。
・ナズナ…解熱、利尿作用がある。
・ゴギョウ…風邪の予防、解熱作用。
・ハコベラ…ビタミンAが多い。腹痛に効果がある。
・ホトケノザ…食物繊維が多い。
・スズナ…ビタミン類が豊富。
・スズシロ…消化を助ける。風邪の予防にも。

 

 

昔の人の考えは、本当に理にかなっています。

 

 

ただ、七草粥も「春の七草」で無ければ意味が無いのか?

と言えば、そうではありません。

 

 

江戸時代には、草によって何回噛むか…

何てことまで言われていたそうですが、

七草粥の由来も元々は「七種菜羹」で、

七種類の若菜が入った汁物を戴く…

という処から来ていますから、

必ずしも春の七草にこだわらずに、

七種類(多く)の新鮮な野菜を摂取する…と
考えて頂いて良いかと思います。