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ランニングで腰が痛い

ランニングをしていて腰が痛くなる原因はさまざまですが、

初心者のランナーに多いのが、

腰を反った状態で走ることによる過度の負担…があります。

 

 

近年流行の上体を安定させて走る「体幹ラン」が

腰痛の原因の一つという可能性があります。

 
上体を安定させる為には、その核となる

腹筋まわりがしっかりしていることが必須条件なのですが、

それ無しに形だけ真似て、

胸を張り上体を安定させて走ろうとするあまり、

かえって反り腰になり腰椎の前弯が強調されるパターンです。

 
その状態が長時間続くと当然、

腰痛も引き起こされやすくなります。

 
ランニングでの腰痛を予防する為には、

まず腹筋まわりを鍛える必要があります。
体幹を支える筋肉、特に腸腰筋の役割がポイントとなります。

 
※腰痛だけで無く、

股関節がだるい、違和感がある場合でも同じです。

 

 

またそれとは別に、底屈での着地もまた、

腰の痛みにつながります。

 
脚の筋肉の「張り」から腰痛へと移行するパターンです。

 

 

つま先が伸びたまま着地すると

下腿の腓腹筋が収縮します。

 
腓腹筋の起始部は大腿骨の下部にあるので、

腓腹筋が下に引っ張られれば

大腿骨に付着する大腿骨四頭筋や、

骨盤の横外側から膝下にある脛骨上部に至る

腸脛靭帯が引っ張られて「骨盤」に負荷がかかります。


対策としては、前屈運動。
腰椎の過度の前弯や脚裏の緊張を

緩めてあげると良いでしょう。

 

 

また、腸腰筋を鍛える、ストレッチする方法は、

以前このブログで「腸腰筋肉を鍛える(座位編)、(臥位編)」の

2回に分けて記していますので、

そちらを参考にして下さい。

ランニングで下腿が痛い

初心者のランナーが傷めるのは

何も「膝」だけに限ったことではありません。

 
脛(すね)に痛みが走ったり、ふくらはぎがつってきたり…と、

膝から下の負担も見逃すことが出来ません。

 

 

下腿部分の症状は、着地時の足の使い方によって、

ある程度改善されます。
特に、足の裏の使い方が重要です。

 
ランニングで着地する際に、

つま先で着地するか、踵から着地するかは、

指導者によって意見が分かれるところですが、

もしふくらはぎがつるようなら、
つま先着地を意識し過ぎているせいかもしれません。

 
足を少しでも前に進めようとするあまり、

足先を伸ばした状態(底屈)で着地を繰り返していると、

膝が伸びてかえって一歩ごとにブレーキがかかる形となり、

膝痛やふくらはぎがつる原因となります。

 
つま先、踵、どちらかで地面に着くのでは無く、

踵から入ることをイメージしつつも、

実際には足の裏全体で衝撃を逃してあげるのが本来の形です。

 
そのまま重心を前に移動させてつま先に乗っていければ、

下腿に極端な負荷がかかることなく走ることが出来るはずです。

 
ランニングが上手になると、

着地時に足裏のアーチをクッションにして衝撃を吸収し、

足をバネのように使って次の一歩を踏み出せるのですが、

初心者、特に筋力の弱い女性ランナーの場合は

着地時にアーチがつぶれてしまいがちです。

 
いきなりスピードをつけたり、オーバーペースで走り続けると

脛(すね)の痛みの原因となります。

 
しっかり、アイシングしたり、休養を取って

足裏のアーチを回復させましょう。
そして、正しいフォームを身につけるように心がけましょう。

 
その為には、足指のストレッチが効果的です。

 
走った後や風呂上がりに左右の足指で

グー、パーの動きを30秒繰り返します。
足指の一本一本を意識してしっかり動かすことで凝りがほぐれ、

踵→つま先のスムーズな体重移動が促されます。

ランニングで膝が痛い

良い季節になったし、

普段の運動不足解消のためにも、

ちょっと走ってみようかな?

 
そんな初心者ランナーのほとんどが走り始めて、

先ず遭遇するのが「膝の痛み」です。

 
そのほかにも、脛(すね)が痛くなる、

ふくらはぎがつる、マメが出来る、股関節がダルい、

腰が痛い、肩が凝る…などなど

 
健康のために始めたランニングがかえって、

身体の故障を引き起こす原因になってしまう…

なんてことにならないように

その原因と対策を考えていきたいと思います。

 

 

で、先ずは「膝痛」から。
膝が痛くなる原因としては、大きく分けて2つ。

 
まずは、筋力の問題です。

 
普段、クルマや電車、バスなどを利用して移動し、

1日に続けて歩くのがせいぜい10分程度という状況で

いきなりランニングを始める人も多いと思いますが、

そんな方にとっては、3km程度のランでも

脚にはかなり大きな負荷がかかっています。

 
平日に1日1kmも歩かないのに、

休日にいきなりその3倍以上を走れば、

太腿やふくらはぎの筋肉は疲労して硬くなります。

 
すると膝のお皿の骨とつながる部分が引っ張られて、

膝の痛みになります。

 
特にお皿の上・下。
大腿直筋の部分と膝蓋靭帯の部分です。

 
痛くなれば、まずは硬くなった筋肉を緩め、

そして炎症を鎮める必要があります。

 

 

しかし、まずはそのランを見直す必要があります。

 
いきなり走るのでは無く、歩くことから始めましょう。
ゆっくりと正しいフォームで歩く。
少しづつ距離を伸ばし、

歩くからジョギングに以降して、

それからランニングです。

 
「歩く」と「走る」は、重心移動が根本的に違います。
歩く場合は必ずどちらの足が地面に接地しています。
走る場合は、速くなるほど両足とも接地していない時間が長くなります。
それだけ、接地時の下肢への負担が増えるわけです。

 

 

体重も関係します。
膝に不安のある方は、

まずは体重の負荷が少ないプールなどで
練習して筋力をつけるとか、サポーターや、
膝の周りをしっかりと支持してくれるウェアなどを

着用することをお勧めします。

 

 

次回は走り方について…です。

足先の冷えと骨格

前回の続きです。

 

 

骨盤から下、下肢にかけての骨格の問題が

足先の冷えを引き起こす原因の一つである…と考えられます。

 

 

具体的な例で言うと、「女の子座り」の姿勢。
正座の状態で足を崩して、

膝から下を外側に出してべったり床に座る…

あの時の下肢の形です。

 
男性はこの姿勢をとること自体が苦手な方が多いのですが

女性の場合はいとも簡単にぺたんと座れます。
関節が柔らかいというのもありますが、

逆の見方をすれば支持する筋力が弱い、

解剖学的肢位から逸脱している…と言えなくもありません。

 
「女の子座り」は、座っている状態で無理にしているわけですが、

普段立っている時にでも同じように

下肢に無理な歪みや捻れを生じている場合があります。

 

 

それは骨盤が前傾して、大腿が内側に内旋し、

逆に膝から下の下腿部分が外旋している肢位。
いわゆるX脚の状態です。

 

 

この姿勢では足の甲、くるぶし、

膝の裏などの血管が圧迫されます。
血管が圧迫させると当然、血流が悪くなります。

 
足関節が外反して小指が反りやすくなり、

くるぶしが圧迫されて更に血流が悪くなり

足先は冷える一方です。

 
パンプスやハイヒール、さきの尖った靴などを

履く習慣があると、ますます血行が悪くなります。
外反母趾、内反小趾の方にこのタイプが多いです。

 

 

このタイプの骨格の問題から来る足先の冷えの場合、

矯正する必要があります。

 
特に、足首と仙骨の傾き、そして筋膜を診ます。

末端型冷え性

手や足の先端が氷のように冷える。
真夏でも靴下なしには眠れない。

 
こういうタイプの人は抹消の血管が収縮して、

血流が悪くなっていることが原因の

「末端型冷え性」といえます。

 

 

体表面の温度が最も高いのは、身体の中心、体幹部。
お腹、腋の下、ソケイ部、いずれも温かいのですが、

そこから身体の末端に向かっていくほど温度が低くなっていきます。

 

 

足の甲の温度は、腋の下のマイナス10度くらいがノーマルな状態です。
体温が36度の平熱ならだいたい26度くらい。

さらに足の甲から足の指先との温度差がマイナス1〜2度くらい。

 
しかし、末端型冷え性の場合は5〜7度も

低くなっている方もあります。
足の甲から足先までわずか10cmほどの短いキョリで

これだけ差があるのは異常とも言えます。

 
体幹は温かいのに指先だけが冷たい。
その原因は、いろいろ考えられるのですが先ずは、筋力です。

 

 

全身の血液は心臓のポンプ作用によって循環しています。
心臓の拍動で押し出された動脈血は

重力に従って末端まで届きますが、

逆に毛細血管から静脈に入って心臓に戻ってくるときは

下肢の筋肉の力を借りることになります。
血管の周りの筋肉を収縮、弛緩させることで

血管を刺激し、血液を心臓へと戻します。

 
つまり、下肢の筋力が重要なわけです。
普段運動する習慣が無く、

もともとの筋力が弱い高齢者や女性など。
そして、後は骨格の問題…も関係します。

 

 

続きます。

大胸筋と広背筋

大胸筋は、文字どおりに乳房の土台となる筋肉。

男性の場合は、胸板の厚さに繋がります。

 
腕を手前に引くときに主に使われる、

比較的大きな筋肉です。

 
この筋肉も年齢とともに縮んで弱くなりやすいものです。

 
日常生活において、家事やデスクワークなど、

ほとんどの作業が前屈みの姿勢でおこなうことが多くなっています。

 
そんな姿勢の悪さや、

背中、肩のコリなどにも関係しているので、

気を抜くと直ぐに背中が丸くなってしまう、

また肩凝りがひどくなって来たという人は、
大胸筋のトレーニングを是非、

積極的に始めて下さい。

左図  筋トレ

両足を肩幅に開いて立ち、両手を

胸の前で合わせて肩の高さに。

両手に力を入れて押しあう。

 

右図  ストレッチ

壁の横に立ち、片手を壁につける。

肩の角度は斜め上30度ぐらいに。

胸を張って30秒キープ。

 

 

※対になる筋肉……広背筋

 

広背筋  ストレッチ

上図

四つん這いになる。

膝の角度は直角、両手はやや前方につく。

視線は斜め前に。

 

下図

そのまま手の位置を動かさずに、

身体を後に移動する。

おでこが床についた姿勢で30秒キープ。

 

ヒラメ筋と前脛骨筋

ヒラメ筋は、「ふくらはぎ」の深部にある筋肉です。

 
歩くときに、最後に地面を蹴って押し出したり、

階段を上がるときに、身体を持ち上げるときなどに使われます。

 
この筋肉が衰えてくると、歩いているときに、

「膝の裏」が痛くなってくることが有ります。

 
これは、他のふくらはぎの筋肉である

「腓腹筋(ひふくきん)」などが、

 

弱ったヒラメ筋のサポートに回って、

過度の負担を強いられる為です。

 
ヒラメ筋は、その9割が「遅筋」で構成されています。
いわば、遅筋の代表格。

 
また、ふくらはぎは、「第二の心臓」とも呼ばれて、

血液循環に大きな役割を果たしています。
下肢静脈瘤などにも、ある程度関連しています。

 
最近、「ふくらはぎマッサージ」などで、

ふくらはぎを柔らかくすれば、

健康に良い。と盛んに言われています。
しかし、筋肉がフニャフニャの状態で

柔らかくても、意味が有りません。

 
ここは、しっかり鍛えた上でストレッチをしていきましょう。

左図  筋トレ

両足を肩幅の広さに開き

大きくつま先立ちで、3秒間キープ。

これを5回繰り返す。

 

右図  ストレッチ

正座の姿勢で、片脚の膝を立てる。

立てた膝に両手を置き重心を前方にかける。

 

 

※対になる筋肉……前脛骨筋。

前脛骨筋  ストレッチ

1.正座をして、両手を身体の後方

10cmくらいの床につける。

2.そのまま、ゆっくりと両膝を持ち上げる。

すねの部分が、伸びているのを意識する。

内転筋と大腿筋膜張筋

脚を内側に引き寄せるときに、働くのが内転筋です。

 
片足で立ったときに、骨盤をしっかり安定させて、

グラグラしないのも、この筋肉のおかげです。

 
太ももの内側にある大きな筋肉で、

弱ってくると骨盤が不安定になり、

膝に負担が掛かりやすくなります。

 
また、姿勢が崩れることによって

歩きにくくなったりします。
無意識に歩いているときに、

チョコチョコと歩幅が狭くなっている人は、

内転筋が衰えているのかもしれません。

 
また、40代以降、内股の筋肉が

タルんだ感じで脚が細くなって、

いわゆる「ガニ股」になって来たという場合も、

内転筋が衰えてきた証拠です。

 
将来、いくつになっても杖に頼らずに歩けるかどうかは、

この筋肉にかかっている…と言っても過言では有りません。
しっかり鍛えていきましょう。

左図  筋トレ

両脚の膝頭の間にクッションを挟んで立つ。

両側からクッションを押す。

*内またにならないよう注意する。

 

右図  ストレッチ

あぐらをかいて座る。

両足の裏を合わせて、上半身を前傾させ、

両手でつま先を持つ。

できるだけ踵を、おしりに近付ける。

 

※対になる筋肉……大腿筋膜張筋。

大腿筋膜張筋   ストレッチ

仰向けになり膝を立てる。片方の足を反対側の膝の上に乗せる。

両手は立てたほうの脚の付け根に。

立てた膝を身体の内側に向かって倒していく。

太ももの外側が伸びている感覚。

大臀筋と腸腰筋

先ずは、正しく立ったり歩いたりするために

必要な筋肉をしっかり鍛えましょう。

 
ということで、お尻の部分にある「大臀筋」。

 
立ち上がる動作や、座るときに主に使われるのが大臀筋です。
歩くとき地面を蹴るという動きも大臀筋の重要な役割です。

 
すべての筋肉の大黒柱とも言える重要な筋肉でもある反面、

年齢とともに最も衰えやすい筋肉でもあります。

 
大臀筋が弱り始めると、お尻が垂れた状態になり、

それに伴って背中も丸くなりやすくなってきます。

 
また、太ももやふくらはぎの筋肉がサポートしようとして、

脚の筋肉に余計な負荷がかかってしまいます。

 
長く立って居られない。
少し歩いただけで脚が疲れてしまう…

という人は、大臀筋が弱っている証拠です。

 

ほって置くと、年齢を重ねるごとに衰えやすい筋肉なので、

何はともあれ、いの一番にトレーニングを始めたいものです。

上図  ストレッチ

仰向けになり、片方の膝を両手で抱え胸に引き付ける。

膝が胸につかなくても良い。

上体を上げすぎないように注意する。

 

下図  筋トレ

仰向けになり、両膝を立てる。

背中全体を床につけた状態から、おへそを上に上げる感覚で

肩から膝が一直線になるようにお尻を上げる。

 

 

※対になる筋肉……腸腰筋。

腸腰筋のストレッチ

上体が反りすぎないように。

前面(お腹の中の筋肉)が伸ばされている感覚。

 

姿勢による筋肉診断

筋肉診断テスト

 

当てはまるものに○をして下さい。

 

1 壁を背にして立ち背中をつけた際に、

頭、肩、腰のすべてがつけられない。

 

2 仰向けに寝て万歳をして、

両手が床につけられない。

 

3 仰向けに寝て脱力した状態で、

両足の外側が床に着いてしまう。

 

4 真っ直ぐ立った状態で両膝がつかない。

 

5 両膝はつくが、ふくらはぎ同士はつかない。

 

6 外反母趾がある。

 

7 土踏まずがない。

 

8 なで肩である。

 

9 猫背である。

 

10 お腹が出て、お尻が垂れている。

 

以上。

○の数が、
0〜2つ……20歳代
3〜4つ……30歳代
5〜6つ……40歳代
7〜8つ……50歳代
9つ以上…‥60歳代

 

 

皆さん、結果はいかがでしたか?
この手の筋肉診断テストは、

いろいろな方法が紹介されていると思います。
参考程度に確認してみて下さい。

 
何れにしても、筋肉が衰えると先ず「姿勢」が悪くなり、

関節の「柔軟性」が失われます。

 
という訳で、運動をする際には

先ずは筋肉をストレッチしてから、筋トレをする。
そして、筋トレをすれば必ずストレッチをする。
ということを念頭において運動して下さい。

 

ストレッチと筋トレを組み合わせることで、

より効率的に筋肉を鍛えることが出来ます。
それと、「対になる筋肉」(拮抗筋)を鍛えれば、

更に効果的です。