カテゴリー別アーカイブ: エネルギー(気)のこと

夏の冷え性

冬じゃなくて夏に身体が冷えるとは?

 
近年の日本の夏の暑さときたら熱帯地方か、
下手したら湿度が高い分だけ却ってそれ以上かもしれません。
熱中症ならいざ知らず、その逆の冷え性って何故に?

 

 

実はその暑さが問題なのです。
逆説的かもしれませんが、

冷えは夏に作られているといっても過言ではありません。
暑い夏には、身体を冷やす環境が整いすぎているからです。

 

 

身体を冷やす要因の最たるものが、クーラーです。
高原や川面に吹く「天然のクーラー」と違い、

人工のものは身体にあまり優しくはありません。

 

 

それに、冷たい飲み物や食べ物。特にアルコール類。
急激に冷たいものを飲んだり、食べたりすると、

内臓の温度は一気に4度下がります。
つまり、身体の中から冷やしているわけです。

 
あと、見逃せないのがパソコンやスマホなどの電磁波。
体温調節を司る自律神経の

バランスを狂わせる可能性が指摘されています。

 
手足やお腹、腰まわりを露出させた服装なども原因の一つに。

 

 

夏に冷えが作られて、

その結果代謝が落ちて、

むくみ、だるさ、肌荒れなどさまざまな不定愁訴や、

なかには秋から冬にかけてぽーんと太る…

なんてことに繋がるケースもあります。

 

 

冷え性には大きく分けて3つのタイプが。
まず、手足が氷のように冷たくなる末端型。
そして、腰から下が冷えるタイプ。
あるいは、身体全体が冷えるタイプ。

 
タイプによってそれぞれ原因も対処法も異なってきます。

 
また、冷えによる自律神経の乱れから

むくみなどの症状が引き起こされることもあります。

 

 

それぞれの対処法は次回から。

腸と睡眠の関係

腸がストレスに弱い…と書いてきましたが、

そのストレスによって混乱を起こす張本人が、
自律神経です。

 
自律神経は、脳のほぼ中央にある視床下部に中枢を置き、

交感神経と副交感神経という2系統のラインを

全身に張り巡らせています。

 
腸などの臓器は、筋肉などとは逆で、

交感神経がブレーキ役となって活動を抑え、

副交感神経がアクセル役となって、

その働きを促進させます。

 

 

つまり、ゆったりとリラックスしている時に

内臓の働きが活発になるというわけです。

 

 

交感神経と副交感神経のバランスが取れている時は、

問題は無いのですが、

過度なストレスや緊張を長時間強いられたりすると、

交感神経が優位となり、腸の働きが悪くなります。

 

 

その最たるものが睡眠不足です。
それは腸は、睡眠中によく働くからです。

 

 

不規則な生活が慢性化すると、ストレスが溜まります。
また、食生活の乱れから腸内環境のバランスが崩れてきます。

 

 

生活のリズムを改善為せるためには、

まずは毎朝決った時間に早く起きて、

朝日を浴びて「体内時計」をリセットすることから始めましょう。

 

 

その後、しっかりと朝食を食べることで

腸が刺激されて、排便が促がされやすくなります。

 

 

早朝に体内時計をリセットすると

自動的に14〜16時間後に眠気が高まり、

決った時刻に眠れるようになります。

 

 

良い腸の状態は、良質な睡眠から…。

 

 

日々の早起き早寝で、

生活のリズムを正常化するように心がけましょう。

腸こそ「第一の脳」?

光合成によって太陽光からエネルギーを得る「植物」と違い、

私たち「動物」は他の生物を食べて栄養にする必要があります。

 
そのために真っ先に発達したのが他ならぬ「腸」でした。

 
生き延びるためには、日々「腸」に食べ物を取り入れて、

そこから栄養素を消化吸収し、不要なものは排泄する。

 
この一連の流れをタイミング良くこなす為に、

情報を伝える神経細胞が現れ、

また腸の機能がアップグレードするにつれて、

神経細胞の数が増えてそのネットワークは

徐々に複雑化していきます。

 
そこから長い、長い時間を積み重ねて、

ようやく「脳」と「脊髄」を持つ「脊椎動物」が誕生したのです。

 
つまり、脳は腸から生まれたもの…と言えるのです。

 
進化的に言うと腸こそが「第二の脳」では無くて、

「第一の脳」と呼んでも過言ではないわけです。

 
生き延びる為、つまり捕食する為に、

情報を得る為の目や耳や鼻といった感覚器官が発達し、

食べ物がある場所まで移動する為、素早く行動する為に、

骨格系や筋肉などが発達していきました。

 
すべては「腸」という管(くだ)から始まったわけです。

 
人間をはじめとする哺乳類、

その他にも鳥類、両生類、爬虫類、魚類などの

いわゆる脊椎動物は皆んな同じ進化の過程をたどっています。

 
その為、腸には一億個もの神経細胞が集まり、

脳の指令無しに独立した活動が出来る…というわけです。

 
でも、いくら独立性が高いとはいえ、

腸だって脳の支配は受けています。
それが腸がストレスに弱い理由でもあるわけですが…。

 

 

続きます。

腸と脳の関係

ストレスでお腹を壊す…という話をよく聞くことがあります。
実際、日本人の約10%〜15%が悩んでいる

「過敏性腸症候群」などが、その典型例と言えます。

 
神経質な性格だとストレスに弱い…なんてよく言われますが、

なぜ腸は、ストレスに弱いのでしょうか?

 
それは、腸自体が「神経」の固まりで、

まさに「神経質」そのもの…だからです。
って、ちょっとわかり難いので少しばかり説明します。

 

 

腸にはおよそ1億個もの神経細胞が集まり、

「第2の脳」とも呼ばれています。
脳以外でこれほどの神経細胞が集まる部位は他にはありません。

 
さらに、腸は独自に、脳からの指令無しに

独立して活動出来るのです。

 
脳から延びる神経は隅々までネットワークを拡げて、

全身の機能を一元的にコントロールしています。

例えば、筋肉を作る筋線維の一本一本には

運動神経の末端が延び、その指令で筋肉は伸縮しています。

 

 

しかしながら、脳と腸をつなぐ神経の束は

およそ2000本程度しかありません。

 
腸が行っている消化や吸収、

そして食べカスから便を作るといった複数な作業のすべては、

脳という、いわゆる中央のシステムによって
コントロールされているわけでは無く、

現場の判断、つまり腸に備わった神経細胞によって

細やかに制御されているのです。

 

 

腸ばかりが何故、こんなに特別扱いをされているのでしょうか?

 
それは…。

 

 

続きます。

腸腰筋を鍛える(臥位編)

今日は、床やベッドの上で横になって行う

トレーニング方法を紹介します。
前回の椅子に座ってするやり方と組み合わせて、

無理のない範囲で続けてみて下さい。

 

 

⑴レッグダウン
仰向けになり、両脚を揃えて床と垂直に上げる。

両腕は体側で「ハ」の字に開いて姿勢を安定される。
両脚を揃えて伸ばしたまま、

ブレーキをかけながらゆっくり下ろし、

床に十分近づけたら元に戻る。
10回×1セット。

⑵ヒップウォーク
床に座り、両膝を軽く曲げて立て、

両腕も軽く曲げて胸で構える。

両脚から力を抜き、腕を振りながら

左右のお尻を交互に前へ出して前進する。
左右交互に10歩前に歩いたら、

左右交互に10歩後ろ向きに歩いてスタート地点に戻る。

⑶ツイストストレッチ
両脚を伸ばして仰向けに寝る。
右膝を曲げて左脚にクロスさせ、

右膝の外側を左手で押さえる。

右腕は右側で伸ばす。
左手で右膝を床に近づけ、

顔は左側へ向けてお腹を大きくひねる。
5呼吸キープしたら左右を変えて同様に。

⑷腸腰筋のストレッチ
両足を大股1歩分前後に開く。
前脚の膝を直角に曲げて、

後ろ脚の膝を床につけて股関節を大きく開く。
上体と骨盤はしっかり立てる。
前脚側へ身体をひねりながら

反対の腕でパンチを繰り出す。
左右各10回×1セット。

 

腸腰筋を鍛える(坐位編)

前回まで、腸腰筋の役割や働きについて書いてきましたが、

今回からは実際のトレーニング方法について…です。

 

 

先ずは、椅子に座って簡単に出来るやり方からです。

 

 

⑴ニーアップ
椅子に座り、両足を肩幅に開く。

両手をお腹に添え、背筋を伸ばして胸を張り、

上体を床と垂直にする。
上体を真っ直ぐキープしたまま、

足の重みを感じながら片膝を引き上げ、

そしてゆっくり元に戻す。

左右各10回×1セット。

 

⑵ツイストストレッチ
椅子に座り、両足を肩幅に開く。

身体を右側にひねって後ろを向き、

右手で背もたれをつかみ、

左手を右の太ももの外側に添えてさらに深くツイストする。
そのまま5回深呼吸する間、このポーズを保つ。
左右を変えて行う。

⑶ツイスト・ニートゥーチェスト
椅子に座り、両手で座面を持って上体を安定させ、

両膝を揃えて伸ばす。
膝を軽く曲げ床から浮かせる。
両脚を揃えたまま、膝を胸につけるイメージで

ひねりながら両脚を引き寄せ、そして元に戻す。

左右各10回×1セット。

⑷腸腰筋のストレッチ
両足を大股1歩分、前後に開く。

片手を椅子に添えて姿勢を安定させ、反対の手は腰に。
前脚の膝を直角に曲げ、後ろ脚の膝を床に近づけながら、

上体と骨盤を立てて5回深呼吸する間、このポーズを保つ。
左右を変えて行う。

大腰筋のスイッチを入れる

今日は腸腰筋のトレーニング方法…

ということでしたが、ちょっとその前に。

 
こんな考え方もあるんだなぁ〜ぐらいの

軽いノリで読んでみて下さい。

 

 

私たち人間は、直立2足歩行をしています。
同じように2足歩行をするお猿さんや、

いわゆる原始人と言われる類人猿との違いは、

「直立」していることです。

 
地面に垂直に、

真っ直ぐ良い姿勢で立つことが出来ること…です。

 
垂直に立つことにより、より視野が広くなり、

多くの情報を得ることが可能となりました。
また、真っ直ぐに立つことが出来ることで、

両手が自由に使えるようになり、様々な作業を通して「脳」を刺激し、

より高度な知能を獲得することが出来るようになりました。

 

 

直立2足歩行が出来ること…。
これが、他の生物との決定的な違い…と言えます。

 

 

しかし、私たちは誰でも生まれたばかりの

「赤ちゃん」の時は歩くことは出来ません。

 
首も据わって無いので、じっ〜と上を向いたままで、

寝返りを打つことも出来ません。

 
少しずつ成長していって、自分でゴロンとして、

腹這いをして、ズリバイ、四つん這いになってハイハイ、

顔を上げて掴まり立ちが出来て、ようやく1歳で立って、

よちよち歩きが何とか出来るようになります。

 

 

人間は、生まれてから

(受精してお腹のなかで成長する期間も含めて)

歩けるようになるまでに、

生物が今までにたどった進化の過程を

すべて体現すると言われています。

 
精子と卵子が受精して、着床した「細胞」の状態から、

徐々に細胞分裂を繰り返して、

「羊水」に浮かぶ水中生物の状態から、両生類に、

生まれ出ると、爬虫類のようにズリバイをして、

ハイハイで4足歩行、掴まり立ちの類人猿の状態から、

ようやく直立2足歩行の「一人前」の人間になります。

 

 

その際に、骨盤と背骨をしっかりと繋ぎ、

支えるのが「腸腰筋(特に大腰筋)」です。

 
腸腰筋が弱くなると姿勢が悪くなります。
年齢と共に背中が丸くなり、段々と歩きにくくなり、

遂には立てなくなり、寝たきりになってしまう。

 
言葉は悪いのですが、

逆の進化の過程をたどっていく…と言えるのです。

 

 

それほど、腸腰筋は大事な筋肉なのです。

 

 

人間の生命活動に非常に重要な役割を持った筋肉、

地球上に掛かる1Gという重力から

生命体としての身体を守る唯一の筋肉、
それが腸腰筋…です。

 

 

そして、その筋肉量は人種によって「差」が見られます。
私たち日本人と、黒人とでは

その筋肉の断面積に3倍以上の差があるそうです。

 
黒人の方の、あの生命力溢れる、

躍動感や跳躍力、スプリント能力は

腸腰筋がもたらしてくれていたわけです。

 

 

大地に根差して、スックと立つ。
人間を、より人間たらしめている…。
それが、腸腰筋(大腰筋)なのです。

 

 

さあ、大腰筋のスイッチをONにして颯爽と歩きましょう。

 

 

ということで次回こそ、

腸腰筋のトレーニング方法について…です。

腸腰筋と便通

腸内環境を考えるうえでも、

便通がスムーズであるということは非常に重要なポイントです。

 
「便秘」は、大敵です。

 
食べたものを消化して、栄養分を吸収し、

不要な老廃物を排出する。

 
骨盤の中を通る腸腰筋は

腸に作用して排便を促す働きがあります。

 
加えてお腹をコルセットのように巻いている「腹横筋」、

骨盤の底を支える「骨盤底筋群」などを鍛えると

腹圧が高まり、排便力がアップして便秘の予防になります。

 
腸腰筋についてちょっとだけ説明しておきます。

 

 
腸腰筋は、腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉群の総称です。
腸骨筋と大腰筋(小腰筋も)があり、

背骨から太腿にかけて引っ張り上げ様につながっています。

 
抗重力筋として、多くの筋肉の中でも唯一、

重力から身体を守る役割を担っている筋肉です。

 
その為に、腸腰筋が弱ると姿勢が悪くなります。
骨盤が後ろに傾き、下腹がポッコリと出てきます。
猫背になり、腰回りのぜい肉が付き易くなります。

 
また、大腰筋と拮抗関係にある大臀筋も弱くなり

その結果、お尻が垂れてきます。

 
身体が歪み、姿勢が悪くなり、

結果的に血流が悪くなります。

 
腸の運動が衰えると同時に、排便する力も弱まり、

「便秘」へと繋がるのです。

 

 

腸内環境の改善の為にも、

腸腰筋(大腰筋)をしっかりと鍛えていきましょう。

 

 

次回は、腸腰筋のトレーニング法について…です。

腸内環境と腸腰筋

腸内環境の改善には、

食事に気をつけることと共に、

日常のちょっとした運動を心がけることも大切です。

 
お腹が硬く緊張している人は、

腸の状態も健康とは言えない場合が多いからです。

 
また、腹筋が極端に弱すぎると、

便を外に押し出す力が弱くて便秘になりやすいのです。

 
ご自分ででも、お腹の硬さをチェックしてみて、

硬いところを温めたり、軽く押さえてみて下さい。
※あまり強く押さえたり、揉んだりすると

気分が悪くなったりするので、注意して下さい。

 
そして、次にお腹を大きく凹ませたり、

膨らませたりする動きを

交互に行う深い呼吸法を行ないます。
つまりは、腹式呼吸のことですね。

 
力まずにゆっくり大きく、そして深く行うことで、

日頃のストレスなどで興奮している交感神経の活動を抑えて、

腸の働きを活発にさせる副交感神経が優位となります。

 
椅子に腰掛けた状態でも構いませんが、

最初は仰向けで寝た状態で、

足は肩幅に開き膝を曲げて立てた状態にします。

 
両手をお腹に添えて、

先ずは口から息を吐き出してお腹を凹ませます。
吐く時は、出来るだけゆっくりと。
吐ききったら、鼻から息を吸ってお腹を膨らませます。
これを5〜10回繰り返します。

 
腹式呼吸が終わったら、

お腹のこわばりや骨盤まわりのストレッチをして筋肉を緩め、

簡単な筋トレをして適度に刺激をしていきます。

 
ターゲットとなるのは、体幹の深層にある筋肉、

いわゆるインナーマッスルです。

 
なかでも骨盤の中を通る

「腸腰筋」が重要なポイントとなります。

 

 

続きます。

腸内フローラ②

先週の土曜、日曜(5/16・5/17)にある勉強会の中で、
「腸内フローラ」に関するお話を、

お二人の方から伺う機会にめぐまれました。

 
詳細な内容については、

どちらもきちんと「許可」を頂いていないので、

こちらに記載することは出来ないのですが、

非常に興味深いものでした。

 

 

NHKスペシャルでは、

肥満を例に動物実験を紹介していました。

 
実験用のマウスに、

肥満した人間の腸内細菌を移植すると、そのマウスは肥満し、

逆に痩せている人の細菌を移植すれば、マウスも痩せてしまいます。

 

 

身体だけではありません。
性格にも影響します。

 

 

臆病で活動的とは言えないマウスと、

好奇心旺盛で活発なマウス、

それぞれのマウスの腸内細菌を入れ替えると、

性格が全く逆のものになる…というのです。

 

 

そうなると、なんだか人間は腸内細菌に操られている?

腸内細菌によって生かされている?
そんな感じさえします。

 

 

美容も、健康も、性格さえもが、「腸内細菌」しだい。
だとしたら、健康な人の腸内細菌を移植すれば、

同じように健康になるんじゃないの?

 

 

はい、その通りです。

番組ではその事例も紹介していました。

 

 

健康な人の糞便を水100ccぐらいで溶かして、

腸内に移植する治療法で、

欧米では既にガイドラインも確立されているそうです。

 

 

糞便移植って⁈
つまりは、「ウンチ」ですよね。
なかなかギョッとする話です。

 

 

まだ日本では研究が始まったばかりで、

よく分かっていないことも多いみたいです。

 

 

まあ、糞便移植は現実難しそうなので、

腸内環境を整えるには、やっぱり「食事」から…ですね。