六甲おろし

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古代、浪速の津から見て大阪湾の対岸にあたる

西宮、神戸方面のことを人々は「むこう」がわと呼んでいました。

 

 

それに漢字が当てられてむこうに見える山…で

六甲山(むこうやま)と表記されるようになったそうです。
※同じような理由で、むこうの川で「武庫川」もそうです。

 

 

大阪側から見て、対岸の海の直ぐ近くから

急峻な山並みが続くさまは、

いわゆる天然のランドマークとなっていたのでしょう。

 
このランドマークは、太平洋側から

紀伊半島を経て大阪湾に吹き込む

暖かく湿った南風を受け止める位置にあります。

 

 

この為、温暖小雨を特徴とする瀬戸内海気候区の中では、

比較的降雨量が多い地域になっています。

 
しかし、台風時期には南東風が吹き込む為、

紀伊半島の山かげになる六甲山の雨量は少なくなっています。

 
毎年、大きな台風が来るぞ、来るぞと脅かされつつ、

結果的に直接的な被害が少ないのも、

地形のおかげもあるわけです。

 
また、阪神間では北側に広がる六甲の山並みのために、

南からの暖かい風を遮り、北の冷たい空気を押し止めるため、

山の南側と北側(裏六甲)の気候では、

寒暖の差が大きい厳しいものとなっています。

 
冬場には北西からの季節風が山を越えて、

乾燥した強く冷たい風となって吹き下ろすことがあります。

 
この現象を「六甲おろし」と呼びます。

 
阪神タイガースの応援歌「阪神タイガースの歌」の

冒頭にも出てくるこの「六甲おろし」。

 
よく勘違いされるのですが、

甲子園球場で春先から夏場にかけて吹く風、

いわゆる「浜風」とは別物です。
六甲おろしは、秋から冬に吹く風です。

 
六甲おろしの歌は、夏が終わり秋になり

「六甲おろし」が吹き始める時期には、「颯爽と」している、

つまり優勝している…という意味です。

 

 

今年は、六甲おろしが吹くころ、

我が阪神タイガースはどうなっているのか?
いずれにしても、棚ぼたじゃあねえ…。

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