五労(繰り返し続けることの問題)

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前回、不内外因(生活習慣)の一つとして

「労逸」の説明をしました。

 

働き方の問題、つまり働き過ぎも休み過ぎも、

どちらも「過ぎる」のは良くない…ということでしたが、

東洋医学では、その「内容」についても言及しています。

 
それは、同じ動作や姿勢を長時間続けること…についてです。

 
繰り返し続けられる行動を5つのパターンに分類し、

それぞれの行動が「五臓」や「器官」に

与える影響について説明されています。

 

 

その5つのパターンを「五労」と言います。

 
「五労」とは、
⑴久行(きゅうぎょう)
歩き(動き)続けること。
五臓の「肝」に影響を与える。
器官の「筋」に影響を与える。

 
⑵久視(きゅうし)
目を長時間酷使すること。
「心」に影響を与える。
「血」に影響を与える。

 
⑶久座(きゅうざ)
座り続けること。
「脾」に影響を与える。
「肉」に影響を与える。

 
⑷久臥(きゅうが)
長時間寝る、寝たきりになること。
「肺」に影響を与える。
「気」に影響を与える。

 
⑸久立(きゅうりつ)
立ちっぱなしでいること。
「腎」に影響を与える。
「骨」に影響を与える。
の5つを指します。

 

 

最近の働き方としては、

より細分化、専門化されていき、

その為に同じ姿勢で同じ動作を

長時間繰り返し続けることを強いられがちになっています。

 
事務仕事などのデスクワークでは、

一日中座りっぱなし(久座)で、

パソコンで目を酷使(久視)しますし、

製造業や販売業などでは、

立ちっぱなし(久立)のことが多いですし、

営業で歩き回り(久行)、車の運転(久座、久視)
が長時間続いたり…と

「五労」のオンパレードです。

 
その結果、

血流が悪くなったり、

気が滅入ったり、

関節を痛めたり、

筋肉が引き攣ったり、

内臓の働きが弱ったり…

といった症状が表れる原因となっています。

 
出来るだけ、同じ動作や姿勢を長時間続けないこと、

時間を決めて「リラックスタイム」を作ること…などで

「五労」に対しての「予防」を心がけましょう。

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