入門編 腹式呼吸

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腹式呼吸は、お腹を膨らませたり、へこませたりして

腹圧を高め、横隔膜を上下動されることで、

肺の動きをより活動的にすることを目的とした呼吸法です。

 

 

呼吸法と言ってすぐに思い浮かぶのが、

ヨガや気功法、或いは歌唱法や発声法など…。

 
床や椅子に腰掛けていたり、立位であったり、

いずれにしても背筋を伸ばした、キチンとした姿勢で行う…
というイメージがあります。
実際、雑誌やネットなどで紹介されている方法のほとんどが、
椅子に座ってすることになっています。

 
しかし、中には腹式呼吸=腹圧を高める…

ことが難しいという方も居られます。

 
女性や高齢者などで、極端に「腹筋」の弱い方。
妊娠後期或いは、出産直後の妊婦さん。
病中病後、または開腹手術をした方。

 
更に「腹圧」だけで無く、「横隔膜」の上下動が

上手にコントロールできにくい場合もあります。

 
高齢者の方で筋力が低下している場合

→横隔膜が硬くなっている→呼吸が上手く出来無い。
また、パニック障害、過換気症候群など

→交感神経優位となり横隔膜の運動が

上手くコントロール出来無い。…など。
さまざまなケースが考えられます。

 
そこで、出来るだけ簡単に、リラックスした状態で

腹式呼吸を行うことが出来る方法を紹介したいと思います。

 
それは、寝たきりの高齢者の方や、

病中病後や術後で体力が低下している方の

リハビリを目的としたベッドサイドでの訓練法です。

 
いわば、腹筋運動がまだ出来無い方の

腹圧を高める方法=「プレ腹筋運動」的なものです。

 
やり方は、
・まず、ベッドに仰向けに寝ます。

そして、軽く両膝を曲げます。(お腹の緊張を緩める為)
両手を下腹部(おへその下)に軽く置きます。

 
・下腹部に置いた手を軽く押さえながら、

ゆっくりと息を吐いていきます。
※この際にお腹の中に「水の入った袋」、

あるいは「風船」が有る…とイメージします。
その袋や風船を下から押さえることによって

上部に「圧」が掛かり、その圧が「横隔膜」という膜を押し上げます。
その結果、「肺」が縮められ、空気が外へと排出される…という感じです。

 
ポイントは、出来るだけ「息」を吐き切ること…です。
吐き切る際に、自然と腹筋に力が入り、腹圧を高めてくれます。
吐き切ったら、力を脱いてリラックスしましょう。
そうすると、自然に空気を吸い込み、

その際にお腹が膨らんでくるのを

下腹部に置いた両手で感じることが出来ます。
※肺が膨らんで、横隔膜を押し下げ、

お腹の中の袋や風船を圧迫して、お腹が膨らんでくる…
という感じです。

 

 

これを数回繰り返します。
最初は秒数を意識する必要はありません。

 
要点をまとめます。
・まず吐くことから始める。
・出来るだけ吐き切ること。
・吸う息は、自然に任せる。
・出来るだけゆっくりと。
・吸う息よりも、吐く息を長くゆっくりとする。
・鼻呼吸が理想。
・慣れてくれば、曲げた両膝を
吸う時に軽く広げる。
吐く時に軽く閉じる。
と良いでしょう。

 
※腹式呼吸の苦手な方は、

先ずはこの方法で試してみて、

簡単に出来るようでしたら、座って、立って、

またヨガや坐禅や気功法など

いろいろチャレンジされたら良いと思います。

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